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なぜMCJグループはベンチャー支援をするに至ったのか

MCJとスタートアップの素敵な関係 動きの速い時代の“ものづくり”のために

2016年09月07日 07時00分更新

 ハードウェアやIoTプロダクト関連のスタートアップ関連事業者を中心とした、ビジネスセミナー・展示交流イベント「IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUP」が8月26日に開催された。

 本記事では、セッションE「IoT・VRで交わるスタートアップ×MCJグループ」の模様をお届けする。

キーマン3名が登壇
なぜMCJグループとして支援をするに至ったのか

 MCJグループは2016年3月、ベンチャー投資に関する基本方針を発表した。PCのメーカーとして創業し、マーケットへの大きな影響力を持つ同社は、ものづくりベンチャーが超えるべきさまざまな課題、企画から部材調達、製造、さらには販売から保守まで全方位での解決支援に乗り出している。MCJグループはいったいなぜ、ものづくりスタートアップの投資・支援に乗り出したのだろうか。

 登壇者は、MCJ取締役 安井元康氏、マウスコンピューター コンシューママーケティング室室長 杉澤竜也氏、ユニットコム 執行役員 販促企画部部長 石田雅人氏の3名のキーマンだ。モデレーターは、テクノロジージャーナリストの本田雅一氏。自身もベンチャー投資を手がけている。

 まずは率直に、「なぜMCJグループとして支援をするに至ったのか」から。ただしこの話をする前に、同社全体の構造について知っておきたい。

 基本事業は、PCやその関連製品の製造・販売だ。後述するマウスコンピューター、ユニットコムに加え、マイクロソフトやインテルの国内正規代理店として活動する専門商社のテックウインドや、欧州に本社を構え海外でモニター事業を展開するiiyamaなどがある。全体としての従業員数は全世界1000名以上。総売上は1000億円を超える。

MCJグループ概要

MCJ 安井元康氏

 MCJがスタートアップ支援を決めた背景には、ベンチャーをとりまく昨今の状況がある。投資活動そのものは増えてきているものの、製造系のベンチャーを支援できる人・企業は決して多くなかったと安井氏は語る。このような状況から、MCJでは「自社が持つバリューチェーンや事業のあり方を通じて、ものづくりベンチャーに対して一歩踏み込んだ支援ができる」と考え、将来を見据えた投資支援を行なっていく方針を固めたのだという。

 2016年3月末の「ベンチャー投資に関する基本方針の策定に関するお知らせ」発表から実に4ヵ月ほど。この短期間で、すでに国内外40~50社からの提案があったそうだ。ただし安井氏は「数よりも、リアルな支援ができるかどうかが重要」と語る。あくまで「お金を出すだけ」ではない、自社のリソースを活用し互いのメリットを共有することをコンセプトとしている。現在、すでに10社程度と踏み込んだところまで議論を進めている最中だという。

MCJグループが行なうのは、ベンチャー各社のニーズに合わせた「テーラーメイド支援」だ

ベンチャーの課題に対し、アイデアからサポートまで一環した価値を提供する

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