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【動画掲載】速さと快適性を両立させたベンツの頂点! Mercedes-AMG GT Sがスゴイ!

精神的にドキドキハラハラの街乗り
快適すぎて気持ちのいい高速巡航

 運転席に乗り込むと、まずはふたつの衝撃に襲われる。まず、シートポジション低い! そしてボンネット長すぎ! シートポジションは前回のポルシェよりも低く感じた。もちろん、シートについているスイッチで座面の位置などすべて調整することが可能だが。もちろん、今回も低いままで走る。そして、レイアウトがロングノーズショートデッキだからこその視点。前後重量バランスが限りなく50:50になるように作られており(実際は47:53)、座席のすぐ後ろに後輪がある感じ。FR(前エンジン、後輪駆動)ならではのスタイリングだ。また、乗り込むと自動的にハンドルが元のポジションに降りてくる。クルマから出るときには、ハンドルがちょっと上がって出やすくしてくれるのだ。こういう細かい気遣いがニクイ。

サイドミラーの三角形のランプは、死角にクルマ(障害物)があると赤く光って教えてくれる。超便利!

BITURBOはドイツ語でツインターボのこと

深さはないが、結構広いトランクルーム。2人旅の荷物なら十分入りそうだ

前走車との距離を測るレーダーはこの大きなエンブレムの中にある。ちなみに、レーダーは広域のものとクルマのやや下側を測る2種類が装着されている

平成17年度の基準とはいえ、このクルマにこのステッカーが貼ってあるのは奇妙な感じ

 エンジンスタートは最近ハヤリのボタンでポチとな! とやる。キーは持っているだけでいいので、グローブボックスやドリンクホルダーに入れておけばOK。ボタンを押せば、メーターまわりの電気がつき、4リッターV8エンジンがけたたましく始動する。V8ならではの重厚なドロドロ音は、アイドリングしているだけでも“その気”にさせてくれる。ドイツ車というより、アメ車のような音に近い。センタートンネルのスイッチには「排気音を昔のメルセデスっぽくする」ものがあり、これをONにするとコンフォートモードでも排気音が大きく変わる。

 ハンドルはアルカンターラ仕様なので、手に汗を握っても滑りにくいのがうれしい。この手のクルマを運転していると、緊張で手汗をかくことも多いので。アクセルもスポーツカーにありがちな踏み心地が硬いものではなく、とてもマイルド。街乗りでの微妙なアクセルワークが必要な場面でも安心だ。コンフォートモードであれば走り出しもジワ~っと前に出るので、いきなり急発進でビビってしまうこともない。

アルカンターラで巻かれたスポーティーなハンドル

ウィンカーとワイパースイッチは一体化。その下にあるのがクルーズコントロール。ちょっと奥にあるのがハンドルのチルトテレスコピックスイッチ

インパネの項目はこのスイッチで切り替える

ナビやオーディオのボリュームはこちらのスイッチで。Bluetoothでスマホを繋いでおけば通話もできる

ライトのスイッチはハンドルの左下側にある。基本的にはこの状態(オート)にしておけば、エンジンをオフにしても自動的に消灯してくれる

アクセルはオルガン式。当たり前だがクラッチペダルはないので、完全にオートマ間隔で運転できる

 走り出して思ったのは、車幅が1940mmと大きいので都内だと走る場所を選ぶということ。ボディーが大きいので死角が多いのだが、これはボディー全体に張り巡らされたセンサーによって問題を解決している。例えば、クルマの周りに何か障害物があると、左右どちら側、どのくらいの距離にあるのかをインパネにあるメーターが教えてくれる。右に曲がるとき、クルマの左前に障害物があると、このメーターが左側に伸びていく。あとちょっとでぶつかっちゃうレベルまで近づくと激しい警告音とともにメーターはレッドゾーンに入る。ただし、あくまでも警告のみで自動的に止まるわけではないため、ブレーキを踏むなり方向を変えるなりしないと、ぶつかってしまって悲しい思いをするだろう。

わかりづらいかもしれないが“A”のうえに3つほど黄色いメーターが出ている。これが障害物がある方向と距離だ。レッドゾーンに入ると、かなりギリギリまで寄っていることを意味する

 サイドミラーにも死角を教えてくれるギミックがある。サイドミラーで補足できない場所にクルマがいると三角形のランプが赤く光り(通常はオレンジ)、さらに車線変更しようとハンドルを動かすと、こちらも激しい警告音とともに赤いマークが点滅して教えてくれる。この装備は高級車にはだいたい付いているようだが、サーキットが主戦場と言えるこのクルマにも搭載しているのは、さすがメルセデス・ベンツだ。

 街乗りで重要な車高だが、フロントのほうがリアより低くなっており、最低地上高は115mm。ホイールもフロントが19インチ、リアが20インチとローテーションできない仕様になっている。普通に道を走っているだけなら意識しなくてもいいが、コンビニやガソリンスタンドに入るとき、また踏切を通過するときや急な坂になっているスロープがある駐車場では神経を使う。輪留めに頭から突っ込むときも要注意だ。だが、ゆっくりと操作すればたいていのところには入っていけたので、実用性も兼ね備えていると言える。

車内は広いが2シーターなのでタイトな部分がある

ハンドル、アクセル・ブレーキ以外の操作はほぼここで行なう

R、N、Dしかないシンプルさ。Pは独立したスイッチになっている

上からモード変更、エンジンスターター、横滑り防止のオンオフ、サスペンションの硬さ調整のスイッチ

こちらは上からオーディオのボリューム、ATのマニュアルモード、アイドリングストップのオンオフ、エキゾースト音の変更スイッチ

スマホのように見える部分はタッチパネル。タッチの操作がしづらい場合は、その下にあるジョグダイヤルで行なってもいい

タブレットに見えるが、固定された8.4型のディスプレー。ノータッチパネルである

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