エントリー機「VAIO C15」を個性あふれるカラバリにしたワケ
ひと足早く、VAIO株式会社におじゃましたので、新しく登場した「VAIO C15」についてもお伺いしてきました。
「VAIO C15」のなんといっても特徴的なところは、「オレンジ/カーキ」「ネイビー/グレー」「ホワイト/カッパー」「イエロー/ブラック」のド派手なカラーバリエーション展開です。
いままでソニー時代からもカラフルなVAIOノートはありましたが、こんな天板からキーボード、パームレストで色分けではなくて、本体の真ん中からぶった切ったツートーンカラーは初めて見ました。
かなりの衝撃もあり聞きたいことは山盛りです。
そもそも、VAIO株式会社になってからというもの、「VAIO Z Canvas」や「VAIO Z」のようなハイエンドにふったモデルや、「VAIO S11」「VAIO S13」「VAIO S15」などは高性能なビジネスモデルといった硬派なイメージがありました。
それこそ、Celeronプロセッサーを搭載するエントリーモデルなら「VAIO S15」のボディーをそのまま使ったほうがより低コストにすむのでは? と素人考えで思ってしまいます。
ですが、そのWindows PCに求める性能がそこまで高くなくてもいいよというユーザーに対しても、デザイン性を重視している層に向けて、VAIOの価値観を活かせるモデルとして 「VAIO C15」を投入したそうです。
もはや、無難に好かれるという事を考えず、人それぞれによって好みがはっきりとわかれる「ざわつく」デザインを狙ったそうです。
IMRフィルムを採用するも、VAIOの「こだわり」は健在
設計段階から、さまざまなアイデアの中から選びぬかれ、この突飛なデザインを活かすのに適したのが、VAIOでは初めてのIMRフィルムの採用でした。
IMRフィルムは、以前からフィーチャーフォンや比較的安価なPCには使われる技術ですが、塗装では難しい塗り分けやメタリックカラーを入れられたり、というフィルムの内側にコートされているため傷がつきにくいのが特徴です。
しかし、実際の「VAIO C15」を見てみると、フィルムが貼り付いていることを思わせられません。
工法としては、本体パーツ(樹脂)を射出成形としてつくり出す際に、印刷面を同時に転写することで、印刷層がパーツに残りできあがります。
この時のポイントは、固いフィルムを3次元形状にするため、流れてきたフィルムを強く真空をひいてキレイに仕上げるかということだそうです。
IMRフィルムは平らでシンプルなパーツであれば簡単な工法です。しかし、キーボードの穴は繰り抜かれていたり、パームレストのVAIOロゴもフィルムに印刷されていたりと、冷静に考えてみると貼り付けるだけでも至難の業です。
上下左右全てをセンサーを読み取ってコンマミリ単位で誤差をなくして正確無比に作 る必要があるため、結果として高い品質を保たせるには相当な苦労があったようです。
こうして、質感の違うメタリックカラーとソリッドカラーの2色の切り替えを施したデザインで、カラーごとにバランスを変えたデザインができあがりました。
プロモーションにはBEAMSも協力
VAIO.comのホームページには、「VAIO C15」を部屋に置いて、モデルさんが使っているシーンのカットがたくさんありますが、なんとこの部屋も出演者の方たちは、BEAMSのスタッフの方だそうです。
VAIO Zのコラボレーションからのご縁で、こうした撮影カットの協力をいただいて実現したとのことです。
しかし、まさかどこかのスタジオではなくて本当にいらっしゃる方のお家とは知らず、あまりのハイセンスさに驚いてしまいました。
ちなみに、ホームページなどで「VAIO C15」を持つ可愛いキャラクターは、ノリタケさんというイラストレーターで、まさにモデルになった方をイメージして描かれたそうです。
こうした裏事情を知り、あらためて実際の「VIAO C15」をみると、エントリーモデルとはいえ、持っていて所有欲を満たしてくれるモデルに仕上がっていることを改めて実感できました。
絶対ハイエンドモデルじゃなきゃ嫌だ! というPC大好きな人たちでも、このモデルなら家族や同僚、友人にすすめたくなるモデルのひとつになるのではと思います。
初日はこれでおしまい。帰りに滅多にみれない夜の「VAIOの里」の石碑を撮影して、宿泊先に戻りました。
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