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「安曇野FINISH」など日本品質にこだわる製造工程も明らかに

「VAIO C15」の奇抜なカラバリのヒミツにVAIO安曇野工場で迫る

2016年08月16日 13時00分更新

VAIO株式会社にある「VAIOの里」の石碑

 「VAIO」と言ったらソニー製Windows PCの「VAIO」だったワケですが、PC事業譲渡というショッキングな出来事を経て、2014年7月1日に「VAIO株式会社」として生まれ変わり、今年で2周年を迎えました。

 その2周年にあたって、筆者は「VAIO安曇野工場プレスツアー」に参加する事ができたので、そちらのレポートをしてみたいと思います。

 7月中旬に先に開催された第1回プレスツアーでは、ACCNさんを始め、皆さんが楽しそうなのを悔し涙で枕を濡らしていましたが、8月某日は第2回プレスツアー、筆者たちの番です。

 ひとり片田舎から向かうのに、どう考えても長野県の松本駅の集合時間に間に合わず、さらにはその日にすら帰れないため、ツアーの前泊と後泊してもはや旅行気分……にならないように、安曇野VAIO株式会社へ突撃です。

VAIO株式会社の本社は長野県安曇野市にあり!

VAIO株式会社最寄りのJR大糸線 豊科駅。徒歩だとここからまだかなり距離があります

 松本駅にたどり着くだけでも大変なのに、そこからさらにJR大糸線に乗り、約20分くらい電車にゆられて最寄りの「豊科駅」で降ります。

 駅からVAIO本社まで1.5キロもあるので、「Pokémon GO」でもしながら風景を楽しみつつ歩いて行こうと思いましたが、このままだと一日が終わってしまいそうだったので、タクシーで。

 イヤーッ! はーるばる来たぜVAIO本社ーッ!

北アルプスをのぞむVAIO株式会社

 VAIO株式会社の本社兼工場は、長野県安曇野市にあります。歴史をたどると、東洋通信工業豊科工場として建設され(1961年)、長野東洋通信株式会社としてソニーの100%子会社になりました(1974年)。

 当時は主にオーディオ関連製品の製造が主でしたが、あの家庭用コンピュータの代表格「MSX」がつくられたのもこの工場になります。

 その後、1997年にWindows PCの「VAIO」が誕生し、四足歩行ロボットの「AIBO」が生まれたのもこの地であり、そうしているうちに一部のクラスタからは、聖地と呼ばれるようになりました。

 ソニーから切り離され、2014年7月1日に「VAIO株式会社」となり、設計から製造まですべてをこの安曇野の地で行なっています。

従業員数が約10分の1になるものの、営業利益は黒字化

VAIO株式会社社長 太田義実氏

 ソニー時代のVAIOに携わる人数は2000人にも及んでいましたが、現在のVAIO株式会社に従事する人たちは240人。

 VAIOというブランドがあるからこそ、ピンとこないかもしれませんが、いままでいたところから10分の1になると考えると衝撃的です。

 経営や生産体制が本当に大丈夫なのか心配になるところですが、この2年のあいだ、設計・製造から販売・サポートまでを一貫した体制で行ない、収益責任を持つ体制へと移行する 「自立」と、VAIOの強みを活かして、受託(EMS)事業をスタート。

 海外市場への進出などもあわせた「発展」を掲げて、売上増加、営業利益の黒字化と、2014年度からのV字回復に成功しています。

 そうです、夢を追いかける前に、一企業として実績がないと何も先に進めないのは何処も同じですが、VAIO株式会社は着実に前にすすんでいるのです。

 そして、その先にある2016年度としての目標は、PC事業と受託(EMS)事業につづいて、新たな柱となる「第3のコア事業」の立ち上げです。

 それが具体的に何かというのは、いまの時点ではっきりとしたものは筆者たちには見えていないのですが、VAIO株式会社の持つ強み、設計・製造技術、そして人 材とブランドを活かして、第3のコア事業の開発・事業化にむけて投資し、ジョイントベンチャーも視野に入れているということでした。

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