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APRS/D-STAR両対応のアマチュア無線機登場

2016年08月08日 19時30分更新

 JVCケンウッドは8月8日、ケンウッドブランドよりハンディタイプのアマチュア無線機最上位モデル、144/430MHzデュアルバンダー「TH-D74」を発表した。発売は8月下旬で、価格は7万8624円。

 TH-D74は、業界で初めて「APRS」と「D-STAR」の両方式に対応するとともに、広帯域受信(HF 帯SSB/CW)の受信機能や各種インターフェースなど、これまで培ってきた無線技術を搭載した最上位モデルとしてさまざまな無線運用に応えるという。

 APRSはパケット通信を応用して双方向でリアルタイムなデータ通信を実現する通信プロトコル。本体内蔵のGPSによる自局のリアルタイム情報に加え、あらかじめ設定した自局の情報と相手局の距離/方角/進行方向/移動速度をひと目で表示できる相対表示コンパスに対応。自局との位置や進行方向の関係を認識しやすくなった。気象局の情報は降雨量、気温、風向、風速、気圧、湿度データをカラーで表示できる。

 移動局、基地局、気象局、オブジェクトといったステーションを最大100局まで保持。受信するステーション種別の制限、ローカルの情報を「オブジェクト」として発信できる。

 メッセージ機能も付いておりAPRS運用局同士でリアルタイムなメッセージの送受信が可能。パネルのキーで文字入力、または定型文から選択して送信できる。

 APRS局からのビーコンに埋め込まれた周波数や、受信しているD-STARレピーターなどの情報によりFMまたはD-STARの音声チャンネルが設定でき、すばやいQSYが可能。D-STARのゲートウェイ通信も自動で設定される。

 APRS用の内蔵KISSモードTNCは、USBまたはBluetoothでPCに接続することで、PCによるAPRSの運用も可能。

 その他にもSmartBeaconing、送信間隔自動延長、中継経路自動切替、APRSボイスなど、運用の幅を広げるさまざまな機能に対応しているとのこと。

 D-STARは音声モードとデータモードを持つデジタルアマチュア無線通信網。従来のシンプレックス通信、シングルレピーター経由の通信、レピーター間の中継、IPゲートウェイ通信など、柔軟な運用により世界中の局と通信が可能。また、デジタルならではのクリアな音声で多様な通信が楽しめる。

 未使用の音声フレームにデータを乗せて通信スループットを高速化するDVファストデータモードを搭載。より快適なデータ通信を実現する。

 アクセスレピーターと相手局をリストから選択して設定すれば簡単に相手局を呼び出せる。また、ゲートウェイ通信の呼び出しに、PTTスイッチを押すだけでそのまま応答できるダイレクトリプライ機能や、カーチャンク時やゲートウェイ通信時にアクセス可能状態をアイコンで表示確認できる機能も搭載。さらに、最大120件の送受信履歴を記録。履歴から簡単に相手局を再設定することもできる。

 その他の特徴に視認性に優れたTFT半透過型カラー液晶を採用、アウトドアや急な降雨時でも運用できる防塵・防噴流性能(IP54/55)を装備、高性能GPSパッチアンテナを内蔵などがある。

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