2016年8月7日、Riot GamesのPC向けMOBA(マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)、「League of Ledgends(リーグオブレジェンド、以下LoL)」の、国内大会決勝戦「LJL 2016 Summer Split Final」が行なわれた。
会場は芸能人の結婚式場として耳にしたこともあるだろう、「グランドプリンス新高輪 飛天の間」。LoLの国内サーバー稼動開始後、2回目となるLJL決勝戦だが、4月に行なわれたSpring Split Finalは国立代々木競技場 第2体育館で開催し、eスポーツは“競技スポーツである”ことを意識したつくりになっていた。今回の会場は、超巨大なゲーム内モンスターの展示や、36メートル✕5メートル超ワイドスクリーンで3つのシーンを同時に映し出すなど、“エンターテイメント”色が強い演出となっていた。
Finalに進出したのは、Spring Splitとまったく同じ、「DetonatioN Gaming Forcus Me(以下、DFM)」と「Rampage(以下、RPG)」の2チーム。ただし、今回は順位が違った。
リーグ戦を9勝1敗で乗り切り、見事1位抜けしたRPG。前回のSpling Splitの勝者のDFMは、RPGと「7th heaven」に黒星を付けられ、2位通過となった。
国内LoLでは圧倒的王者だったDFMは、Spring Spirit優勝後、IWCI(International Wildcard Invitational)という8ヵ国で世界大会への出場権を争う予選大会に出場したが、決して良い成績とは言えない結果に終わった。その後、チームのパワーアップを目指しメンバー変更を進めてきたが、そのぶん、他のチームよりもSummer Splitへの準備が遅れた面も見受けられたシーズンだった。
BO5形式(5試合中3本先取)の決勝戦は、1試合目RPG、2試合目DFM、3試合目RPG、4試合目DFMと一進一退のシーソーゲーム。
運命の5試合目をとったのは、昨年8月の「LJL 2015 GRAND CHAMPIONSHIP」、そしてSpring Spirit FinalでもDFMに破れ、あと一歩優勝に届かなかった、RPGだった。13時から始まった試合が終了したのは、およそ19時。約6時間に渡って歴史に残る名勝負が繰り広げられた。
優勝したRPGは8月24日からブラジルで行なわれるIWCQ(International Wildcard Qualifier )に参戦し、2016 Season World Championshipへの挑戦権をかけて戦う。
まだ日本サーバーすらなかった、LJLが発足する以前、ユーザーコミュニティーで大会を開催していた頃から活躍していた両チーム。
Rampageは当時は消して今のような“2番手”の存在ではなく、むしろDFMを負かすことも多かったように記憶している。海外チームとの交流戦も積極的に行ない、2013年WCG日本代表チームにもなった。
近年、eスポーツ化の波が押し寄せ、DFMはプロとしてのチームづくりをいち早く行なって圧倒的な強さを得た。そんななか、DFMの活躍の影に隠れていたチームが悲願の優勝を遂げた。RPGのエース、Meron選手が枯れた声で「やったー」と無邪気に叫ぶ姿を見て、会場に来ていた古くからのファンが涙する場面も見られた。
ちなみに、今回は全席指定席で、観戦するためには2000円のチケットを購入する必要があった。にも関わらず、1000席を超える座席が完売。ここまでの規模の大会を開けたのは、LoLが観るものも魅了するタイトルだからだろう。
eスポーツが、オリンピックと同じくらい感動を与えられるものに育ってきたと感じる大会だった。優勝したRampageの国際大会での活躍にも期待したい。
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