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2年で上場2社の高打率をほこる“TBS”のCVC設立の経緯

2016年08月01日 06時30分更新

大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。

 テレビやラジオでお馴染みのTBSグループを統括する東京放送ホールディングス。2013年8月にCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立してベンチャー支援に乗り出した同社は、すでに9社に出資しそのうち2社が上場する“高打率”を誇る。その仕掛け人である次世代ビジネス企画室投資戦略部の片岡正光担当部長に話を訊いた。

CVC設立3年で2社が上場

 東京放送ホールディングス(以下、TBS)による本格的なベンチャー支援は、2013年8月に同社の100%出資によるCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、“TBSイノベーション・パートナーズ”を設立からスタートする。これまでの投資実績は9社で、そのうちO2Oサービス企業のアイリッジとソーシャルメディアを核としたビッグデータ分析企業のデータセクションは、すでに東証マザーズへの上場を果たしている。

 こうしたベンチャーへの直接投資の一方で、2016年7月1日に設立された慶應義塾大学のベンチャーキャピタル“慶應イノベーション・イニシアティブ”をはじめ、ベンチャーファンドへの出資も積極的に展開している。

 支援をしてきたベンチャー企業について片岡氏はこうコメントする。「本業である放送事業と何らかのかたちで協業できそうな事業や、通販事業のようにグループの事業戦略に近しい事業を手がける企業が中心となっています。今はベンチャーやベンチャーファンドに出資しながら、多様な事業協業を模索しているところです」

 TBSのこれまでの取り組みは、ファイナンシャルリターンとストラテジックリターン双方の面から成果の上がっているCVCの事例として、多くの経済紙・メディアから高い評価を得ている。

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