ポケモンGOのレポートを英国からお送りした後、いよいよ日本でもリリースされ、盛り上がっているようです。
筆者がいま滞在しているノルウェー第2の都市、ベルゲンでもポケモンGOは大人気。近所の緑地ではひっきりなしにルアーモジュールがセットされ、スマホを持った老若男女が行き交っていました。
東京ではもう珍しくないかもしれませんが、筆者もなんとかレベル21まで到達したので、これまでの雑感をまとめておきたいと思います。
位置情報が使えれば日常が楽しくなる
筆者がポケモンGOを遊んでいて思い出すのは、位置情報をソーシャルで共有できる「foursquare」です。
Facebookでは位置情報を付けてどこかに行った写真や文章を投稿することが一般的になっていますが、その元祖ともいえるのがfoursquareでした。ある場所を訪れたことを「チェックイン」と表現し、共有可能な単位を作ったという点でfoursquareは画期的な存在でした。
毎日、電車やバスに乗って会社や学校に通うという日常が、チェックインができるようになったことで突然、面白くなったのです。foursquareには独自のバッジがあり、実績解除のようなゲーム性を採り入れていましたが、ポケモンGOもこれに通じるものがあります。
慣れてくると、普段は行かない場所に足を伸ばしてみたり、普段とは違う道で帰ってみたくなるものです。そういう意味で、ポケモンGOは人間の行動を変えるゲームといえます。
ゲームとしてのポケモンGOは一見するとカジュアルで、Ingressをやりこんだプレイヤーからは「物足りない」との声もあります。しかし、コアなプレイヤーに合わせてゲームバランスを調整すると、一見さんお断りのゲームになりがちです。
これに対してポケモンGOは、単に「ポケモンを集めるのが楽しい」というライトゲーマーでも楽しめます。筆者のようにポケットモンスターというゲーム自体にあまり詳しくない場合でも、問題なくハマれます。社会現象になった背景には、こうした敷居の低さがあるといえます。
中盤からはレベルアップ自体がやりこみ要素に
では、ポケモンGOにやりこみ要素がないかといえば、全くそうとは思いません。レベル10くらいまでは簡単に到達できるものの、レベル20以降は飛躍的にレベルアップが難しくなっていきます。
たとえばレベル20から21に上がるには50000XP、21から22には75000XPを新たに獲得しなければなりません。こうなると「しあわせタマゴ」の使いどころを見極めながら、ポケモンの進化やタマゴの孵化を最大限に活用していく必要があります。
欧州でもレベル20台前半のプレイヤーは多く見かけるものの、20台後半となるとぐっと数が減る印象です。ここにひとつの壁があるように感じます。
ここ数日は、ポケモンの個体差や、覚えるわざの違いが注目を浴びており、より強いポケモンを手に入れる方法が模索されています。
ポケモンGOのこうした側面を見ていくと、誰もがカジュアルに楽しめる一方で、やりこみ要素もしっかり用意されているという、優れたゲームバランスが見えてきます。
都会の圧倒的な有利さが目立つ
欧州の片田舎から見ていて思うのは、ポケモンGOはやはり都会が圧倒的に有利という点です。ポケストップにルアーモジュールが常にセットされているような渋谷や秋葉原に行けば、効率が上がるだけでなく、課金アイテムを大きく節約できます。
レベルが上がるにつれ、モンスターボールも足りなくなってきます。ポケストップから得られるアイテムはモンスターボール以外のものが増え、ポケモンも3回、4回と逃げやすくなります。しかし都会ならちょっと歩き回るだけですぐに補充できるでしょう。
いまのところポケモンGOは、都会へと人を呼び寄せるゲームになっています。今後、レアなポケモンが出るとか、その地域だけのご当地ポケモンが出るなどの要素が追加される可能性はあるものの、当面は都会が圧倒的に有利な状況が続きそうです。
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