週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

Siriやマップの強化、iOS 10新機能はここがすごい

2016年07月21日 15時32分更新

 6月に開催されたWWDC 2016では、「macOS Sierra」「iOS 10」「watchOS 3」「tvOS 10」という、4つのOSについての新情報が公開されました。7月19日発売の週刊アスキー電子版 1087号の特集は「Apple 4大OSの未来」。4つのOSに搭載されるテクノロジーについて、一般公開されている内容を基にわかりやすく紹介します。

 私自身、iPhone 6 Plusを使用しているので、iOSの情報については特に注目していました。iOS 10の注目ポイントは、さまざまなAPIの開放です。純正アプリとしか連携できなかった「Siri」や「マップ」アプリのAPIがサードパーティーアプリでも利用可能になるため、新たなアプリの登場が期待できそうです。

 ということで、今週の特集からiOS 10についての記事を抜粋して、ちょっとだけ紹介しちゃいます。(文● 海上 忍、吉田博英)

iOS 10で投入されるフレームワーク「SiriKit」とは?

Siriが認識した音声は、支払いや検索などの「ドメイン」、処理内容の「インテント」に分類され、さまざまな情報を添えてアプリに届く

アプリに情報が届く仕組み

 「Siri」は、iOS 10で投入される フレームワーク「SiriKit」で大きく前進する。SiriKitはサードパーティーも利用できるAPIであり、Siriを活用したアプリの登場を意味する。iPhoneに話しかけることで機能を果たすアプリが、今後続々登場する可能性が高まるのだ。

 SiriKitでできることは、音声/映像の呼び出し、メッセージング、 Apple Payによる決済、写真の検索、乗車予約、運動管理という6項目。基調講演では、話しかけた言葉がメッセージとして送信されるアプリや、Uberなどの配車サービスに口頭で乗車予約する様子が紹介されていたが、これらはアップルが定めた暫定的な動作範囲に過ぎない。

 正確にいうと、SiriKitはAPIというよりも、Siriとアプリが連携 (インテント)することで機能を実現するための仕組みだ。「ヘイシリ」と話かけたり、ホームボタンを押したりしてSiriが呼び出され、話かけた言葉を認識すると、iPhoneにインストールされていアプリの中から命令内容に該当するアプリを探し出し、そのアプリに処理を委ねることで目的の機能を実現、結果をユーザに提示するという流れで進む。

アプリは「インテント」によりSiriから呼び出される。こ の画面では、LYFTという配車アプリがその役割を果たし ている

インテントで呼び出される

RAW画像の加工がスムーズに!

iPhone 6sシリーズとiPhone SE、9.7インチiPad ProでRAW撮影が可能になるなど、RAW画像全般のサポートが向上する

RAW撮影が可能に

 iOS 10では「RAW撮影」が可能になる。対応機種は現在のところ、Apple A9プロセッサーを搭載するiPhone 6sシリーズとiPhone SE、9.7インチiPad Proの4製品。ただし、標準装備の「カメラ」アプリでの対応ではなく、新登場のカメラ制御APIを利用したサードパーティー製アプリが必要となる。

 RAW撮影時の保存用フォーマットはAdobe DNGで、内蔵メモリーが2GB以上のiPhone 6sシリーズや9.7インチiPad Proでは最大120メガピクセル、 1GBのiPhone SEでは最大60メガピクセルで撮影可能だ。

 RAW画像の撮影だけでなく、現像と表示も可能になる。16メーカー/400以上の機種のRAWデータを現像できるとのことなので、サポートレベルはすでに「写真」アプリでRAW画像の編集をサポートしているMacとほぼ同等といえる。

 なお、iOS 10ではsRGBより色空間が25%広い「Display P3」というカラープロファイルがサポートされる。当面はiPadプロ(9.7インチ)限定だが、今後はRAW対応とあわせ広色域化も始まりそうだ。

RAW画像にフィルター処理を施すためのAPIが用意され、露出や色温度の調整などをGPUのパワーを利用してスムーズに作業できる

RAW画像の加工がスムーズに

「マップ」アプリがいよいよ乗換案内に対応

 アップルが独自開発した「マップ」アプリは、iOS 6でデビューして以来最大規模の更新を迎える。それは、UIの変更や地図データの充実ではなく、Siriと同様に「インテント」を使うサードパーティー製アプリへの開放だ。

 従来の「マップ」アプリは、iOS標準装備アプリとの連携を除けば単独での動作となっていたが、これからは検索したレストランを別アプリで予約したり、現在地を配車アプリに知らせるとともに予約したり、サードパーティー製アプリとの連携によりさまざまな処理を実行できる。

Siriと同様に「インテント」を使って外部アプリを呼び出し、レストランの予約などの処理を委ねることが可能になった

外部アプリに処理を委ねる

 ユーザー目線で見れば「公共交通機関の乗換案内」が日本でスタートすることが最大の事件かもしれない。WWDCの基調講演では触れられなかったが、アップルのウェブサイトにある 「マップ」アプリの紹介をよく見ると、「日本の交通機関がまもなく到着します」という一文が。いよいよ日本でも、公共交通機関の乗り換えや運賃の検索が可能になるのだ。地下鉄の駅をつなぐ連絡通路まで表示されるというから、実用性は高そうだ。乗換案内では長らく他サービスの後塵を拝していただけに、アップルのお手並み拝見だ。

WWDC閉幕後に公開された、日本語版のiOS 10プレビューサイトでは、公共交通機関の乗り換え案内が日本国内でスタートする旨が告知されている

いよいよ乗換案内に対応

表紙をクリックすると、一部記事を読める「立ち読み版」が開きます

週アス最新号は7月19日(火)発行です。
電子版週刊アスキーの購入はこちらから

特集など内容の詳細は以下。
★アスキーの有料会員サービス「ASCII倶楽部」会員の方は、内容をクリックすると直接ページが開きます。

【表紙の人】
光宗薫

【特報】
デジタルのアスキーを“より深く”楽しめる
ASCII倶楽部

【ASCII.jp NEWS】
1週間のトピックがぐるっとまるわかり!!
レノボのWindows10スマホ「503LV」/五輪仕様の「Galaxy S7 edge」/東芝がノートPC '16年秋モデルを発表/モトローラSIMフリー「Moto G4 Plus」 ほか

【NEWSROOM】
“アンドロイドオート”上陸 連携メーカーはカーナビ挽回を狙う

【特集】
開発者向け情報から深読み
macOS、iOS、watchOS、tvOS
Apple 4大OSの未来


【コミックス/小説】
カオスだもんね!PLUS 水口幸広

【コミックス/小説】
レディ・ハニカム 桂明日香


【コラム】
東京トホホ会 金井哲夫&荒井清和

【コラム】
仮想報道 歌田明弘

【コラム】
神は雲の中にあられる 遠藤諭


【連載】
最強ゲーム機スマホを256 倍楽しむ!
週アスGameReview
ランガン キャノンボール

【連載】
ジサトラ
即日持ち帰り可能 VRがグッと身近に!

【連載】
今週のグルメ
生チョコが決め手の「チョコチップミントバー」
セブンの台湾風パインケーキ ほか

【連載】
今週のグラビアDVD
本郷杏奈 今野ゆい 日野麻衣

【連載】
Windows情報局
大事なファイルを自動でバックアップ

Newsstand(定期購読)およびBOOK☆WALKER、Kindle、Kobo(ともに単号販売)で電子版を配信しています。各電子書店での詳しい購入方法は、下記リンクの記事をご参照ください。

週刊アスキー No.1087 (2016年7月19日発行)[Amazon]

Newsstand 電子雑誌をダウンロード

Newsstandで電子書籍版をダウンロード

アスキーでは、電子版週刊アスキーが読み放題になるサービス「ASCII倶楽部」を展開中です。会員期間中は過去3年分のバックナンバーも読み放題!

電子版の週刊アスキーが、最新号から過去3年分のバックナンバーまで読み放題!

■通巻:1087号
■発行:2016年7月19日(火)
■次号発行予定:2016年7月26日(火)

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事