週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

日産の自動運転技術「プロパイロット」は“自動運転”ではなかった!

2016年07月17日 17時00分更新

セレナに搭載される「プロパイロット」を
一足お先に体験してきた!

 13日に発表された日産の自動運転技術「プロパイロット」。8月下旬以降に発売となる、ミニバンの「新型セレナ」に搭載されるとのこと。

 日産が自動運転を量産車に搭載! と話題になったが、このプロパイロットをはやくも体験できる機会を得たので、動画と写真で紹介しよう。

これが今回試乗した新型セレナ。発売は8月下旬を予定

 と、その前に。プロパイロットとはどんな技術なのかを簡単に説明しよう。

 まず、大前提として「自動運転」、オートパイロットではないという点。日産はあくまでも「自動運転技術」とし、ドライバーの代わりに運転するのではなく、ドライバーのアシストをするという位置付けだ。クルーズコントロールをさらに進化させたものだと思えばいいだろう。例えばハンドルから手を離すと警告が表示され、無視しているとアシストがすべてキャンセルされるという仕組みで、ハンドルはトルクセンサーで監視されている。

アクセル、ブレーキ、ハンドルを制御するのは日本初

前向きの単眼カメラなので、今回は1車線のみのアシスト。2018年のバージョン2ではリアにもカメラが搭載される予定

スイッチひとつでオンオフでき、走行中も操作可能

 プロパイロットの最大の特徴はアクセル・ステアリング・ブレーキを自動操作できること。これは国産量産車では初だという。単眼カメラで車線を認識し、車線の真ん中を走ってくれたり、前のクルマを追従してくれる。現在は前方向の単眼カメラだけなので単一車線しか走れないが、2018年にはバックカメラを搭載し車線変更もできるように、2020年には交差点を曲がったりなど市街地でも使えるようになる予定だ。

 プロパイロットの推奨は高速道路。先行車の追走は100km/hまで対応し、車間距離も走行速度に応じて変化する(ある程度は自分で調整可能)。また、高速域だけでなく渋滞時にも作動するのがポイント。のろのろ運転でも先行車を追走し、車線の真ん中をキープしてくれる。3秒以上停止すると自動的にアシストが解除されてしまうが、再びハンドルの専用ボタンを押せば再開されるのが便利だった。先行車を追走するシステムと車線を維持するシステムは、それぞれ日産の高級セダンに採用されていたが、このように一体化されたのは初めて。それを大衆車であるミニバンの「セレナ」に搭載したことに意味がある。

ハンドルの右側、青い文字で「PILOT」と書いてあるスイッチを押すと、プロパイロットが始動

 また、ハンドルの自動操作だが、かなり角度のついたカーブでも、ハンドルがグイグイ動いて曲がっていってくれるのは衝撃的。見えない誰かが運転しているような、そんな気分になる。遊園地にある、レールのついたカートに乗っている感じだ。アクセルとブレーキも自動的に調整してくれるので、オーバースピードでコースアウト、なんてことはなさそうだった。

PILOTスイッチを押すと、正面のディスプレーにこのような情報が表示される

前のクルマとの車間距離は3段階に調整可能。今回は一番長い距離に設定

カメラに認識されると、それぞれ緑色になる。これはハンドルアシスト、両側の車線、先行車との車間距離が認識された状態。オートクルーズはMAXで50km/hにしている

 日産はこのプロパイロットを「長距離移動におけるドライバーの負荷軽減」としている。たしかに自動でハンドル、アクセル、ブレーキを動かしてくれるが、ドライバーが運転をするというのが前提。ドライバーがちょっとでも操作をすると、主導権をドライバーに譲る。決して運転に対する責任を負ってくれるものではなく、ドライバーがラクに長距離を移動するためのアシスタントだと思って、過信は禁物だ。

分かりづらいが、手を軽く離した状態でハンドルがグリグリ動く。この動作がかなり衝撃的。慣れるまでは違和感があるだろう

前走車は加速すれば同じ速度までスピードを上げ、急ブレーキをかければこちらも安全に減速する

 それでは、動画をご覧あれ!(諸事情により車内のみのアングルです。また、運転しているのはGIZMODEさんのライターさんで、解説してくれているのは日産の方です)


■関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります