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引きこもりのためのVR空間イベントサービスcluster.

2016年07月14日 11時00分更新

 BtoCベンチャーが参加する、サービスのファンになってもらうイベントsprout13が、2016年6月29日に渋谷ヒカリエで開催された。10枚のスライドを200秒のプレゼンで説明するイベントだ。

 優勝者は観客の投票によって行なわれ、事業性だけでなく、おもしろそう、未来っぽい、使ってみたいなどで評価される。

リアルイベント完全否定のVR空間イベントサービス

 今回、優勝したのはバーチャル上でイベントを開催、VR空間、ヘッドマウントディスプレーで参加できるなど引きこもりのためのイベント運営サービスの“cluster.”(クラスター)だ。この日も、玄関から出るのが面倒くさいと、sproutのイベント自身もバーチャル上で開催しようと提案。

 10枚のプレゼン資料を200秒で紹介するというルールを逆手に取り?プレゼン資料の中にVR空間でのデモ動画を表示するという、10枚を超えるボリュームで展開する裏技的なプレゼンを披露した。

 cluster.ではイベントにかかる会場費、運営、撤収作業などがVR空間での開催のため不要。実績面でも、Unityの公式カンファレンスイベント“Unite 2016 Tokyo”基調講演では、海外参加者も含めて3000名規模がVR空間に参加を果たした。イベントの規模次第だが、数千万円という費用が必要なくなるととそのメリットを説明する。

 現在はイベントオーガナイザーにイベントの作成を限定していて、同社がディレクションしながらVR空間上で行なうイベント文化を作成している段階。今後はユーザー自信がイベントをつくれるように開放していく可能性はあるが、しばらくは仕組みをつくるほうに重点をおいていく。また今後はエンターテインメント、教育、MMORPGのようなゲームでイベントを開催していきたいとしている。

 前回の優勝者で『インスタントチーム』で出場したレレレの山本大策代表が、cluster.の加藤 直人CEOにトロフィーを手渡す。コーヒーミーティングやタイムチケットなどリアルでの出会いを提供するサービスをつくってきた山本氏から、リアルを否定して引きこもりを加速させるサービスをつくる加藤氏へ引き継がれたのが印象的だった……。

ウィンクで写真撮影するメガネ装着カメラガジェット

 IBM特別賞にはウィンクでシャッターがきれるメガネ装着型のカメラ『Blincam』が選ばれた。子供の自然な表情を撮りたい時、スマホを出していたのではタイミングが間に合わない。そんな課題を解決するガジェット、すぐ自分が見ているままの姿の世界を撮ることが可能だ。両手がフリーになるのでサイクリング中や料理をしている調理中の画像、子供を抱っこしているときの画像なども撮れる。B向けでは医療や建築、アーティスト、職人などの目線の画像をおさえられるとしている。

 スペックは500万画素、重量25グラム、バッテリーは8時間駆動。装着にはメガネをかける必要がある。今後はクラウドファンディングを実施する予定。両手が空くのでスタートアップのピッチイベントなどの取材でメモを取りつつ、スライドの写真をウィンクで撮るなどもできてしまいそうだ。

 そのほかにも各種BtoCサービスが出場。現在地から徒歩5分以内のスポットを検索できるサービス“Pathee”は1年以上前からチャットボットをつくっており、今後のサービスに生かそうとしている。イグノートのスマホアプリ『melocy』は、歌や楽器演奏などの音楽を投稿して、ほかのユーザーの投稿と重ねてセッションできるユーザー投稿型の音楽サービスだ。RENOの“SCOUTER”は、友人を企業に紹介するカタチの人材紹介、採用サービス。採用が決定した際に紹介者が、採用者の年収の5%を謝礼として得ることができる。

 今回、優勝してしまったVR空間イベント運営サービスの“cluster.”、リアルイベント全否定のサービスだが次回のsprout開催場所は果たしてどこになるのだろうか。

●出場サービス
Pathee(パシー)
melocy(メロシー)
Blincam(ブリンカム)
SCOUTER(スカウター)
cluster.(クラスター)

■関連サイト
sprout

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