新しいのに、どこか懐かしいPC
その特殊なスタイルから、登場と同時に話題を集めたのが「キーボードPC」(WP004)。一見すると小型のタッチパッドを搭載したコンパクトキーボードにしか見えませんが、実はCPUにAtomを採用した立派なPCというのだから驚きです。背面にずらりと並んだインターフェースを見て、ようやくPCだと気づいたという人も多いのではないでしょうか。また、遠くにMSXの面影を重ね、懐かしく思ったPCファンもいることでしょう。
そんなキーボードPCですが、いつの間にかアスキー編集部に置いてありました。何気なく手にして気付いたのが、意外にもファンレスだということです。ほぼ同じスペックのスティックPCが熱の問題で悩まされていることが多いだけに、スペースに余裕のあるキーボードPCなら、当然ファンを搭載しているものとばかり思っていました。大きなヒートシンクさえ載せていれば熱の問題はクリアできると思いますが、放熱性の悪そうな樹脂ボディで包まれているうえ、吸排気できる部分は底面角の一部だけという悪条件。一体中身はどうなっているのか、非常に気になるところです。
そんな思いが届いたのか、近くにいたジサトラハッチが「壊さないなら開けてもいいっすよ」と快く許可を出してくれました。聞いてもいないのに語り出したところによると、どうもハッチの私物だそうで。なんだ、それなら壊れてもいいじゃん。ってことで分解しちゃいました。
中は結構余裕がある
中身はとてもシンプル。キーボードを外すとだいたい3分の1くらいのサイズの基板が見えました。気になっていた放熱関係をおおざっぱに説明すると、2mmくらいのアルミ板をヒートスプレッダーのように使ってCPUの熱を拡散し、熱伝導シートを通してキーボード裏のアルミ板で冷却する、という仕組みでした。キーボードは隙間が多いですから、樹脂ボディでも熱を逃がしやすいのでしょう。
基板を外してみると、ほとんどの部品が表面にあり、裏面はコネクタ類だけだということが分かります。金属ケースでシールドされてることが多い無線LANのコントローラーもむき出しだったりと、結構割り切ったつくりになっているみたいです。
せっかくなので、アルミ板も外してみました。こうしてみると、Atomのダイって結構大きいもんですね。その右にあるAXP288は電源用ICで、この2つが熱伝導シートでアルミ板と密着していました。なお、アルミ板はねじ止めされていたのですが、締め付けすぎないよう、基板上にスペーサーが立てられてます。
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