週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Xアイコン
  • RSSフィード

あのキーボードPCを分解&改造した! その驚くべき結果とは

2016年07月06日 12時00分更新

新しいのに、どこか懐かしいPC

 その特殊なスタイルから、登場と同時に話題を集めたのが「キーボードPC」(WP004)。一見すると小型のタッチパッドを搭載したコンパクトキーボードにしか見えませんが、実はCPUにAtomを採用した立派なPCというのだから驚きです。背面にずらりと並んだインターフェースを見て、ようやくPCだと気づいたという人も多いのではないでしょうか。また、遠くにMSXの面影を重ね、懐かしく思ったPCファンもいることでしょう。

コンパクトキーボードにしか見えない本体

約288gと軽いこともあって、背面のインターフェースを見るまでPCだと気づかなそう

 そんなキーボードPCですが、いつの間にかアスキー編集部に置いてありました。何気なく手にして気付いたのが、意外にもファンレスだということです。ほぼ同じスペックのスティックPCが熱の問題で悩まされていることが多いだけに、スペースに余裕のあるキーボードPCなら、当然ファンを搭載しているものとばかり思っていました。大きなヒートシンクさえ載せていれば熱の問題はクリアできると思いますが、放熱性の悪そうな樹脂ボディで包まれているうえ、吸排気できる部分は底面角の一部だけという悪条件。一体中身はどうなっているのか、非常に気になるところです。

 そんな思いが届いたのか、近くにいたジサトラハッチが「壊さないなら開けてもいいっすよ」と快く許可を出してくれました。聞いてもいないのに語り出したところによると、どうもハッチの私物だそうで。なんだ、それなら壊れてもいいじゃん。ってことで分解しちゃいました。

中は結構余裕がある

 中身はとてもシンプル。キーボードを外すとだいたい3分の1くらいのサイズの基板が見えました。気になっていた放熱関係をおおざっぱに説明すると、2mmくらいのアルミ板をヒートスプレッダーのように使ってCPUの熱を拡散し、熱伝導シートを通してキーボード裏のアルミ板で冷却する、という仕組みでした。キーボードは隙間が多いですから、樹脂ボディでも熱を逃がしやすいのでしょう。

本体に占める基板の割合が小さくスカスカに見えます。左の方にちょろっと出ているケーブルは、無線LANのアンテナ

 基板を外してみると、ほとんどの部品が表面にあり、裏面はコネクタ類だけだということが分かります。金属ケースでシールドされてることが多い無線LANのコントローラーもむき出しだったりと、結構割り切ったつくりになっているみたいです。

表には部品、裏にはコネクターといったように、キレイに分かれてます

 せっかくなので、アルミ板も外してみました。こうしてみると、Atomのダイって結構大きいもんですね。その右にあるAXP288は電源用ICで、この2つが熱伝導シートでアルミ板と密着していました。なお、アルミ板はねじ止めされていたのですが、締め付けすぎないよう、基板上にスペーサーが立てられてます。

一番大きいのがCPU。その左がメモリーで、上にあるのがeMMC。右が電源ICです

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります