ランサムウェア対策に有効 最新だけでなく過去のバックアップからも復元可能
同社のNASは高性能かつとにかく多機能。独自のOS「DiskStation Manager」はブラウザー上で利用でき、快適に動作。UIはPCのデスクトップのようなレイアウトにアイコンが並び、直観的に操作できる。ファイルの共有はHTTPS、SSL/TLS 暗号化、リンクの有効期限などによって安全に利用可能。高いセキュリティーによる、信頼性と使いやすさも同社の魅力のひとつだ。
数多くある機能の中で最も注目したいのが「Snapshot Replication(スナップショットレプリケーション)」。指定した時間間隔で、ファイルとフォルダの状態を保持し、その内容をバックアップ。何かトラブルが起きた際に、保存した特定時点のファイルの復元を可能とする。
たとえば、5分間隔でスナップショットを保存していた際、誤ってPC上のファイルを上書き保存してしまっても、5分前、10分前のファイルの状態に復元できる。また、そのスナップショットの情報は、クラウドを通じて、複数のNASへ保存ができる。例えば東京本社のデータを福岡支店のNASにバックアップするとか、子どもの写真を実家のNASにバックアップするとか、遠隔地にデータを置くことでPC、NASの故障だけでなく大規模災害に対しても安全が保てる。この強力かつ柔軟なバックアップ機能がSynologyの魅力の1つだ。
実際にイベント会場で600MBほどのファイルをスナップショットで保存してもらったが、1~2秒かかったかどうかといった時間で保存が完了した。この機能はVMwareおよびHyper-Vで起動する仮想化したアプリの認識にも対応するため、仮想マシン上のデータもバックアップでき、復元が可能。仕事や趣味の大切なデータをガッチリ保管しておくのにこれほど安心なシステムもない。
こうしたバックアップ機能は、近年増加している暗号型ランサムウェア対策に対して有効だという。ランサムウェアは感染したPCのシステムへのアクセスを制限するマルウェアの一種。共有ファイルなどを暗号化され、その解除を楯にマルウェアの作者が金銭を要求される。日本でも徐々にその被害が増えているので注意が必要だ。
同社のNASでは複数のNASにバックアップできるほか、多くのクラウドストレージにも同時に保存ができる。一般的なNASもDropboxやOneDriveといった良く使われる数種類のクラウドストレージへのバックアップに対応するものも多いが、Synologyの最新のNASはAmazon Cloud DriveやBoxなど、対応するクラウドストレージが多く、自由度が高いのも特徴だ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります