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ベンチャーマインドから得たリコーの共創シナリオ

2016年06月20日 06時30分更新

日本発の世界的テックベンチャー創出を!

 これまでのベンチャー支援の取り組み成果と現在リコーが置かれた状況について、澤田氏は次のような見解を示す。「ベンチャー企業との直接的なかかわり合いの中で、事業会社のリソースが活かせる連携のかたち、つまり共創シナリオが見えてきました。今は、リコー単体では対応できないような技術領域、展開市場、業界でテックベンチャーを多面的支援できるよう、スケールアップする時期にあると見ています」

 具体的なスケールアップ展開の第一弾と言えるのが、今年3月にオムロン、SMBCベンチャーキャピタルと共同で設立した“テックアクセルファンド”だ。同ファンドは50億円で組成し、今後賛同する事業会社を募り、年末までに70億円規模を目指している。

「事業会社とベンチャー企業が相互に補完し合える新しい枠組みがテックアクセルファンドです。リコーとテックベンチャーのより良い関係構築で新規事業創出が加速され、この取り組みに賛同する事業会社が増えてテックベンチャーを多面的に支援できる仕組みに成長するのを期待しています。それがやがてテックベンチャーを創出しやすい環境や、テックベンチャーを支援する一連のエコシステムへと発展していければいいですね。最終ゴールは、“日本発の世界的テックベンチャー創出”です」と、澤田氏は力説する。

“技術”に軸を置き、ベンチャー企業だけでなく他の大企業とも連携しながらイノベーションを目指すリコー。ベンチャー企業としてスタートした同社の創業時のように、“第2のリコー”が誕生する日もそう遠くないかもしれない。

リコー 本社事業所 新規事業開発本部 オープンイノベーション推進室 澤田智裕副事業プロデューサー

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