※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーと仲間たちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。今回は久々HIRO and ASUKAでお送りします。
とうとう国会質問でまで取り上げられてしまったWindows 10の強制アップグレード問題。弊サイトの連載「Windows 10探偵団」(柳谷智宣)でもアップグレードのキャンセル方法を記した記事が異例のアクセスを集めています。ナゼこのような騒ぎになっているでしょうか。元MacPeople編集長で、今は何者でもない吉田ヒロさんの意見をお伺いしたく、地下の倉庫の隣の部屋までご足労願いました。
アスカ ウチ(KADOKAWA)でも社用マシンのアップグレードは正式にはまだ許可されてませんよね。
ヒロ 社内のLANにつないでるマシンはね。そういう会社がほとんどだと思う。それにしても10に限らずWindowsの更新って、やり方ず~っとマズくない? 作業中にいきなり始めたり、勝手に再起動のカウントダウンしたり、起動時に延々とパッチ当てたり……。しかも一度で済まないうえ、更新の頻度も多すぎ。はっきり言って酷いと思う。
アスカ 確かに、ちょっとそうですね。趣味はOSのアップグレードかと言われれても否定できない(それこそAndroidなんてOTA待たずに適用する)ほど、いの一番になん何でもアップグレードする私ですら、Windowsはそう簡単にはやらない。セキュリティーパッチは当てますが、ナンバリング更新は滅多にやらんですね。基本的にプリインストールでしか使わない。更新でやると結構な容量食ってるゴミとか平気で残しますし、そういうのがイヤなんです。その点、Macはあまり何も考えずにやってしまいますねぇ。
ヒロ 2011年のMac OS X Lionからダウンロード販売になって、2013年のMavericksから無償になったけど、ずっと強制って感じではないよね。通知センターでサジェストが入るけど、拒否したかったら簡単にできる。アップグレード適用後の処理も比較的スムーズで、ほぼ一度の再起動で済む感じ。まぁ、Macは古い構成のシステムをスッパリ切り捨てているから、とにかく互換性重視のWindowsとこうした差が出るのは当たり前っちゃあ当たり前だけど。
アスカ マイクロソフト(MS)としては「これでホント最後なので、今回だけなんとかお願いっ!」という感じなのでしょうけど。必死にアップグレードを促しておきながら、サポートではキャンセルや戻す方法を案内しているという……。
ヒロ サポート担当者には同情するよな。
アスカ でも、AppleもMac OS9からOS Xへの移行は、それなりに強行的な面がありましたよね?
ヒロ 9→Xの変換期、OS Xしか動かないマシンを出して大ひんしゅくを買ったのよ。日本市場はとくにDTPの分野とか特殊だったからね。その時は日本でだけOS9を起動できるマシンをあとから急いで出した。
アスカ なんともAppleらしくない対応ですな。あ、いい意味で。
ヒロ その経験が生かされているんじゃないかな。まぁ何にせよ強制的と(実際に強制ではなくても)ユーザーに感じさせるしくみは絶対よくないよ。とくに法人なんてリプレースが数年の決まったサイクルであるわけで、それぞれのペースでやりたいハズ。それを強制でやられたのではたまらんって、余計な業務が増えるだけ。オレがいっちばんキライなヤツな。
アスカ MS的にもジレンマなんでしょうけれど。マーケットの統合とか何度めの正直かという気もしますが、やってる事自体はMacの後追い的な部分が多い感じは否めませんね。
ヒロ ま、それはWindowsの発端からしてそうだからな。
アスカ ちょ(笑)、まぁもうWindowsかMacかという時代でもないですが、だからこそストレスを感じさせないシステムにしておかないと、この問題だけでWindows離れが起きそうな気もしませんか?
ヒロ うん、Windows 10自体はいいデキなのに、これで印象が悪くなっちゃってたらホントもったいないよな。さて、もう行っていい?
アスカ ええ、余計な業務増やしてゴメンナサイ。
ヒロ ホントだぜ、まったくWindows 10かっつの。
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