Xperia Z3から新作の登場ごとに温度チェックを実施している。Xperia Z3からXperia Z4へのアップデート過程では、SoCが何かと大変だったSnapdragon 810になったため、ヒートパイプを採用していたのが印象深い。だが、それでも熱問題は回避できず、自前で巨大CPUクーラーや12センチファンを取り付けてみたりとエンジョイするに至ってしまった。
今回、2016年夏モデルとして国内に登場した「Xperia X Performance」のSoCは、性能を向上させつつ、熱問題にもメスを入れたSnapdragon 820を搭載している。単純に考えて、Xperia Z4ほど、熱に悩まされることはないハズだ。そこで、例によって温度チェックをしてみた。
背面もアルミ部材を採用しているXperia X Performance
Xperia X Performanceの背面は、ガラスではなく、アルミを採用している。前面ではなく、下部のみアンテナ性能確保ため、プラスチック部材となっているが、ほぼアルミ部材と思っていい。
この点はドコモの2016夏モデル発表会で問い合わせてみたところ、放熱性能を重視した結果だという。ヒートパイプについては、Xperiaアンバサダーミーティングの分解モデルで2本確認できている。
まず、Xperia Z3とXperia Z4の計測結果をおさらいしてみよう。4Kビデオカメラで録画を実行してエラー落ちするまでの時間と温度を計測している。Xperia X Performanceの純正カメラアプリには、4Kビデオカメラは搭載されておらず、同様の計測は不可能な展開だったのだが、アプリ「Open Camera」での4K録画が可能だったので、これを代替とした。
プリチェックでは、どうやらエラー落ちする雰囲気がなかったため、10分間の録画を実行して各部の温度状況をチェックすることにした。温度計測に使用したものは、FLIR One(レビューについてはこちら)。
スポット的な負荷での変化と放熱性能
外装部の温度が大きく上昇する=内部の温度を上手く逃がせているというわけだが、手に持つ製品である以上、つねにそれでは厳しい。先のテストは高負荷を長くかけるものだが、短時間のベンチマークではどうなのだろうか。
短時間の負荷を掛けた場合の温度変化は、30分ほど操作した状態に近くなるため、ある程度の目安になるハズだ。ここではクアルコム純正ベンチマーク「Vellamo」でチェックしてみた。同アプリはブラウザー性能を計測することを主としているが、マルチコア性能の計測、メモリー性能などシステム部分のチェッカーとしても優秀だ。
負荷がかかった状態から、温度がある程度下がるまでの時間は、想像しているよりも速いと感じるハズだ。5回ほど振るだけでも表面温度が3〜4度低下するほどなので、内部構造とアルミ部材による放熱性能はキチンと向上していると思っていい。
というわけで、高負荷時から放置してみてどれくらいで温度が低下していくのか、これはタイムラプスで撮影してみた。約10分ほどで温度が落ち着いており、軽い負荷の場合はすぐに放熱しきるものだとわかる。
FLIR ONEのタイムラプス撮影機能で温度変化記録したもの
Open Cameraで約10分間撮影し、そのあと約10分放置したタイムラプス。温度は本体ほぼ中央部のものを表示しているが、動画を見ると約43度まで上昇している。カメラユニット周辺はさらに温度が高い状態だ。アプリを停止してから約10分で約36度にまで下がっており、ぼほ人肌の温度で手にしている限りでは気にならない温度になった。また、軽く振るだけでも温度は大きく低下するため、放熱面については相当な考慮がなされているとわかる。
通常づかいであればほぼ問題ないレベル
熱が気になる場合は振ってみるのも手
もちろん、長時間ペタペタと操作していると熱が溜まってしまうので、ヘビーユーザーであれば、Xperia X Performanceを軽くフリフリしてみたり、内部結露しない温度の水に1分ほど浸けてみたりと回避策はある。
普段使いレベルだと、温度上昇がウザいと感じにくいものだったため、Xperia Z4よりも余裕をもって熱に対処できているのではないだろうか。また、店頭に並ぶホットモックは開店直後でもない限り、長時間起動した状態は中負荷が続いた状態のような温度状態にある。それをベースに、スマホを手放せないのであれば、対話できる放熱性能なのかどうかチェックしてみてほしい。Xperiaユーザーであれば、よくなったと感じるハズだ。
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