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最新Xperiaが出たらこれはやっておかないと

Xperia X Performanceの放熱性能をガチテスト!メタル製背面パネルの効果大

2016年06月06日 14時00分更新

 Xperia Z3から新作の登場ごとに温度チェックを実施している。Xperia Z3からXperia Z4へのアップデート過程では、SoCが何かと大変だったSnapdragon 810になったため、ヒートパイプを採用していたのが印象深い。だが、それでも熱問題は回避できず、自前で巨大CPUクーラーや12センチファンを取り付けてみたりとエンジョイするに至ってしまった。

 今回、2016年夏モデルとして国内に登場した「Xperia X Performance」のSoCは、性能を向上させつつ、熱問題にもメスを入れたSnapdragon 820を搭載している。単純に考えて、Xperia Z4ほど、熱に悩まされることはないハズだ。そこで、例によって温度チェックをしてみた。

Xperia Z4とのひと夏の思ひ出。スマートに楽しめた

背面もアルミ部材を採用しているXperia X Performance

 Xperia X Performanceの背面は、ガラスではなく、アルミを採用している。前面ではなく、下部のみアンテナ性能確保ため、プラスチック部材となっているが、ほぼアルミ部材と思っていい。

 この点はドコモの2016夏モデル発表会で問い合わせてみたところ、放熱性能を重視した結果だという。ヒートパイプについては、Xperiaアンバサダーミーティングの分解モデルで2本確認できている。

金属金属した雰囲気になったXperia X 。下部のみ部材が異なる

Xperia Z5と比較すると約30%ほど放熱性能は向上しているという

ヒートパイプは2本

 まず、Xperia Z3とXperia Z4の計測結果をおさらいしてみよう。4Kビデオカメラで録画を実行してエラー落ちするまでの時間と温度を計測している。Xperia X Performanceの純正カメラアプリには、4Kビデオカメラは搭載されておらず、同様の計測は不可能な展開だったのだが、アプリ「Open Camera」での4K録画が可能だったので、これを代替とした。

 プリチェックでは、どうやらエラー落ちする雰囲気がなかったため、10分間の録画を実行して各部の温度状況をチェックすることにした。温度計測に使用したものは、FLIR One(レビューについてはこちら)。

FLIR ONE。スマホに取り付けて使えるナイスな一品

Open Camera。シンプルで使いやすいわりに設定が豊富。ビデオ録画ではビットレートの設定も可能で100Mbpsも選べてしまう

30分ほど放置して温度が落ち着いた状態。ほぼ周辺温度と変わりない。正面の温度が高い場所は、ライトの写り込みによるもの

pen Cameraの4K録画(15Mbps)を10分実行した直後の温度。アウトカメラ周辺部の温度が42度あたりまで上昇している。その周辺も同様だが、SoCの位置がわかるような傾向は出ていない。また、本体下部に向かうほど温度が低いというのは、Xperia Z3とXperia Z4も同様なのだが、上部まで温度が上昇している。しかし、正面を見ると、横持ち時に親指がくるあたりは温度は低めと、正面と背面で放熱設計が異なることがわかった

頂部、底部、左側面、右側面の計測結果。前面の一部の温度を上昇させない構造がここでもよくわかる。また、両側面も利用して放熱していることも見て撮れるだろう。なお、像がズレているのは、FLIR ONEの仕様によるもので接写時は掲載しているスクリーンショットのようになる(が、見比べやすいのでこれはこれでオーケーだ)

過去の計測結果も掲載しておく。過去2機種と比べると高負荷時の温度上昇は大きな変化はなく、指が長く触れる部分の温度上昇は避けるといったアプローチにも変化がないと分かるだろう

スポット的な負荷での変化と放熱性能

 外装部の温度が大きく上昇する=内部の温度を上手く逃がせているというわけだが、手に持つ製品である以上、つねにそれでは厳しい。先のテストは高負荷を長くかけるものだが、短時間のベンチマークではどうなのだろうか。

 短時間の負荷を掛けた場合の温度変化は、30分ほど操作した状態に近くなるため、ある程度の目安になるハズだ。ここではクアルコム純正ベンチマーク「Vellamo」でチェックしてみた。同アプリはブラウザー性能を計測することを主としているが、マルチコア性能の計測、メモリー性能などシステム部分のチェッカーとしても優秀だ。

「Vellamo」の3種類のベンチマークを実行した直後の温度状況。カメラ下部あたりが32度を記録しているが、背面のほぼ全域は30度前後となっている。また、正面を見ると、正面から見た場合、右上あたりにSoCがあるようだとわかった。マイク周辺の温度が高いのもなかなか興味深い

システム温度は38度台を維持していた。上記の計測結果からすると、やはりもりもりっと放熱してくれているようだ

3種類のベンチマーク結果も掲載しておく。試作機でのチェックであるため、当然ながら、製品版とはスコアーが異なる可能性がある

 負荷がかかった状態から、温度がある程度下がるまでの時間は、想像しているよりも速いと感じるハズだ。5回ほど振るだけでも表面温度が3〜4度低下するほどなので、内部構造とアルミ部材による放熱性能はキチンと向上していると思っていい。

 というわけで、高負荷時から放置してみてどれくらいで温度が低下していくのか、これはタイムラプスで撮影してみた。約10分ほどで温度が落ち着いており、軽い負荷の場合はすぐに放熱しきるものだとわかる。

FLIR ONEのタイムラプス撮影機能で温度変化記録したもの

 Open Cameraで約10分間撮影し、そのあと約10分放置したタイムラプス。温度は本体ほぼ中央部のものを表示しているが、動画を見ると約43度まで上昇している。カメラユニット周辺はさらに温度が高い状態だ。アプリを停止してから約10分で約36度にまで下がっており、ぼほ人肌の温度で手にしている限りでは気にならない温度になった。また、軽く振るだけでも温度は大きく低下するため、放熱面については相当な考慮がなされているとわかる。

通常づかいであればほぼ問題ないレベル
熱が気になる場合は振ってみるのも手

 もちろん、長時間ペタペタと操作していると熱が溜まってしまうので、ヘビーユーザーであれば、Xperia X Performanceを軽くフリフリしてみたり、内部結露しない温度の水に1分ほど浸けてみたりと回避策はある。

 普段使いレベルだと、温度上昇がウザいと感じにくいものだったため、Xperia Z4よりも余裕をもって熱に対処できているのではないだろうか。また、店頭に並ぶホットモックは開店直後でもない限り、長時間起動した状態は中負荷が続いた状態のような温度状態にある。それをベースに、スマホを手放せないのであれば、対話できる放熱性能なのかどうかチェックしてみてほしい。Xperiaユーザーであれば、よくなったと感じるハズだ。

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