ジャストシステムは5月31日、OS X向けの日本語入力システム「ATOK 2016 for Mac」を発表した。発売は6月24日で、希望小売価格は「ATOK 2016 for Mac [ベーシック]」が9800円(税別)、「ATOK 2016 for Mac [プレミアム]」が1万3800円(税別)となる。対応システムは、OS X 10.9(Mavericks)~10.11(El Capitan)。
資料を見ながらの文書作成がはかどる「ATOKインサイト」
OS X用の日本語入力システムとしては、OS X標準(旧ことえり)と「Google 日本語入力」などがあるが、ATOKは、長文はもちろん細切れでの単語変換時の精度が高いのが特徴だ。ATOK 2016ではさらに、参照しているウェブページやPDFに含まれる単語や住所などを先読みして変換候補として提示する「ATOKインサイト」機能が加わった。例えば、ウェブページの記載されている住所をテキストエディターに書き写したいときに便利。ウェブページからわざわざコピー&ペーストする必要はなく、住所の頭の部分を入れるだけで変換候補から住所を選べる。一般的な単語であっても、ウェブページやPDFに記載されているものが変換候補の上位に表示されるため、文字入力の効率が上がるだろう。
ATOKがデータを取り込めるのは、Keynote、Pages、Word、Excelといったアプリで開いたファイルのほか、PDFファイルやSNS、ウェブページなど。取り込んだデータはユーザー辞書とは別に管理され、参照しているファイルやウェブページを閉じれば消去されるので、ユーザー辞書の登録語彙が多くなって変換精度が落ちるといった心配がない。
入力間違いを強力に補正する「ATOKタイプコレクト」
ATOKでは、従来もキーの打ち間違いにより入力ミスを補正する機能を備えていたが、ATOK 2016では「ATOKタイプコレクト」という機能がさらに加わった。ホームポジションから左右もしくは上下にずれた状態に気付かないままタイピングを始めても、適切な入力に補正してくれる機能。同社によると、前バージョン比で約2倍の入力補正を実現しているとのこと。
さらにATOK 2016では、誤入力や誤変換で確定してしまった単語であっても、直後に「delete」キーを押すことで学習内容を取り消せるようになった。これにより、次回以降はが候補ウィンドウに誤変換した単語が表示されず、適切な候補だけが表示されるようになる。打ち間違いが多く、定期的にユーザー辞書のクリーンアップをしていたユーザーにとってはありがたい機能だ。
専用辞書をシステムワイドに使える「ATOKイミクル」
OS Xでは、ウェブページやファイルの内容を見ているときにトラックパッドやマウスの操作でOS Xの内蔵辞書を呼び出せるが、ATOK 2016でも同様の機能が利用可能になった。ウェブページ内のテキストを選択した状態で「control」キーを2回押すだけで、辞書ウィンドウを呼び出せる。部分一致などの条件指定や、複数の辞書や事典を参照することも可能だ。
日本語大辞典と英和辞典が増強されたプレミアム版
上位版にあたる「ATOK 2016 for Mac [プレミアム]」には、ATOK連携電子辞典シリーズでは最多の収録語数となる「精選版日本国語大辞典」と、8年ぶりに大改訂された「ジーニアス英和辞典」「ジーニアス和英辞典」が収録されている点にも注目だ。さらに、変換中の言葉をリアルタイム翻訳できる「8カ国語クラウド翻訳変換 for ATOK」も利用できる。
ATOK2016販売形態は、基本的にダウンロードとパッケージの2種類だが、通常のパッケージ版にもメディアは入っておらず専用サイトからのダウンロードとなる。なお、同社オンラインサイト「Just My Shop」ではインストール用USBメモリーが付属したパッケージの販売もある。サブスクリプション契約の「ATOKパスポート」を利用しているユーザーは、発売日である6月24日より少し前に、ATOK 2016 for Macが利用可能になる予定だ。
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