こんにちは、池澤あやかです。前回の連載では、お味噌汁を吸って、くしくも使えなくなってしまったMacBook Pro(Mid 2009)を分解しました。使えなくなってしまった部品やいらない部品を取り除き、ロジックボードとバッテリー、HDDだけとりだして、外部ディスプレーを使った据え置き型のMacとして蘇生してみることに。
あとはこの状態では格好がつかないので、ケースさえつくれば、我が家のMac miniとして活躍できるでしょう。
さてどんなケースにしましょうか? アクリルだと静電気が発生してしまいそうなので、アルミか木でつくるのがよさそうです。
「PCが木製!?」という反応をする方もいらっしゃるかもしれません。しかし、みなさんご存知でしょうか。Appleからはじめて発売されたコンピューターである「Apple I」は回路基板のみで、キーボードや筐体は自分で用意する必要がありました。そのため購入者は自分でケースを自作する必要があったのですが、ほとんどの開発者が加工しやすい木を使い筐体を制作していたということを!
というわけで、今回は木でケースをつくりますよ。これはあくまで「Apple I」リスペクトであり、手抜きではありませんよ!!(※でもアルミは加工が木より大変)
まずはざっくりイメージをスケッチ&設計。こんなかんじの筐体がいいなぁ♡
このイメージを元に、Illustratorでちゃちゃっとデータをつくります。底辺部は厚みを持たせて4mmのMDF(中密度繊維板)、側面&表面は2.5mmのMDF、基板が透けている部分は2mmのアクリル板という構成です。アクリル板少し使っちゃうけど、ちょ、ちょっとくらいなら静電気も大丈夫……だよね?(※すごく気にする人はガラス板を使いましょう)
底辺、側面&表面、スケルトン部分はカットする板が違うので、データを分けて制作します。
そのあとはデータを元にレーザーカッターで木(MDF)をカッティング。データさえちゃんと作れば、機械がその通りにカッティングしてくれるなんて、便利な時代になったものです。
カットが完了したらあとは組み立て! まずは底辺の板に基板をネジとナットで固定します。M2くらいのネジが良さそうでした。
ケース自体の組み立ては「全体的に軽いから大丈夫だろう」という適当な理由で、木工用ボンドのみ。本来なら釘や木ねじを使ったり、四つ角にあまった木材などで添え木を加えるとだいぶ安定するようです。
電源スイッチも忘れずに取り付けます。前回、ロジックボードの接点をショートさせるとキーボードの電源ボタンがなくても起動することが分かったので、この機能を使って別途プッシュスイッチを搭載します。
プッシュスイッチは、最近お気に入りの部品を千石電商で購入しました。それをロジックボードに配線します。結構細かいのでちょっとはんだ付けが大変です。
組み立てるとこんな感じ。お気づきの方もいるかもしれませんが、このMac miniにはWi-Fiモジュールがついていません。本当はMacBook Proを分解したときに手に入れたWi-Fiモジュールをつけたかったのですが、私の不手際でパーツが壊れてしまいました。
なのでWi-Fiにつなぎたいときは、USB接続のWi-Fiドングルで対応したいと思います。
というわけで、できました!!!! 意外とクールな見た目!!!!!
電源投入のビデオも撮ってみました!
うん、なかなかいいのではないでしょうか! 気に入りました。今後作品のデモなどに活用しようかなと思ってます!!
女優の池澤あやかさんは慶應義塾大学 環境情報学部(SFC)卒の才媛で、プログラミングができる特技を生かして独自の立ち位置で大活躍中! 特に好きな言語であるRuby界では女神と呼ばれています。プログラミングの楽しさを紹介する初の単独著書、『アイディアを実現させる最高のツール プログラミングをはじめよう』(大和書房)が販売中。
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