ミシガン大学の研究者は5月26日、どんなスマホでもiPhone 6sのような感圧タッチ液晶にできる技術「ForcePhone」を開発した。
一般的なスマホの静電容量式タッチパネルは、指などでタッチしたことは検出しても押された強さ判別しない。iPhone 6sの「3D Touch」では専用のシートをタッチパネルに重ねあわせて配置し、押された強さを検出してメニュー表示が切り替わるなど新UIに用いている。ForcePhoneは、こういった追加のセンサーなしに圧力を検出する技術。
原理は比較的シンプルで、スマホのスピーカーから可聴域外の音を流してマイクで検出する。押されて液晶パネルなどのスマホの外殻がわずかに歪めばマイクが拾う音もわずかに変化する。デモンストレーション動画を見ると、確かに液晶の押された強さをかなり細かな精度で検出している。液晶パネル面だけではなくスマホ本体を握りしめる強度も検出できており、新たな入力方法になりそうだ。
ForcePhoneを開発したYu-Chih Tung氏は、映画「ダークナイト」にてブルース・ウェイン(バットマン)が街中のスマホをハッキングして音響ソナーとして用いるアイデアに触発されて考えたという。もちろんダークナイトのシーンのようにスマホ周囲を映像化(一組のスピーカーとマイクで)するのは無理だろうが、簡単な距離を計測する程度のことはできそうだ。なお、ForcePhoneはスマホ音響技術としては3つめにあたり、これまでソナーとして用いて物体の接近を警告する技術(歩きスマホ中でも壁にぶつからなくて済むようだ)などを公開しているという。
スピーカーとマイクを用いるため、もちろんスピーカーから音楽などを流している際の問題や、外部ノイズの影響なども多いと考えられる。とはいえ、追加のセンサーなしにソフトウェアだけで新たな入力方法が可能というのは興味深い。
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