国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)は5月26日、日本標準時の供給の光電話化を進めていると発表した。
NICTの電磁波研究所 時空標準研究室では日本標準時の発生・維持・供給を行なっており、電波時計が用いる「標準電波」や「ネットワークによる時刻供給」、「電話回線での供給」を用いている。このうち電話回線はNTTの時報サービス「117」をはじめ、交通機関や放送局、さまざまなシステムの基準時として提供されており、現在でも毎月約14万件のアクセスがあるという。
現行の時刻供給システム「テレホンJJY」は公衆電話回線を用い、パソコン通信の形態で接続して時刻データを供給するものだが、依然としてアナログ回線を用いている。接続の安定性や時刻同期精度の劣化などに加え、最近ではアナログモデムの入手性などが問題として浮上してきている。
現在進めている光電話回線化は、新たな時刻供給システム「光テレホンJJY」を開発、運用を開始したもの。従来のアナログ回線よりも26倍の高速データ通信ができるため、時刻供給精度の安定化・通信料金の低廉化が図ることができる。クライアントとしては、セイコーソリューションズが販売する「Time Server TS-2210」を用いることで誤差1msでの時刻を受け取ることができるという。
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