「会計士・税理士はなくなる仕事ではない」と説明会で語っていたのは、クラウド会計サービスのfreeeだ。
オックスフォード大学のオズボーン教授による”機械に奪われる仕事”、いわゆるこの先なくなってしまう職種についての論文は2013年のものだが、仕事がなくなる言説自体が現実味を帯びてきたのは、目に見える形で人工知能を使った新技術やサービスを目にする機会が増えてきたこともあるだろう。
先日の開発者向けカンファレンス「Google I/O 2016」でも、人工知能採用bot「Google Assistant」が発表されたばかりだ。盛り上がりを見せるチャットボットの領域は、メッセンジャー上で相手からのメッセージに自動的に返信してくれる/返信を自動生成してくる対話システムによって、Siriなどの音声アシスタントアプリ以上に、実サービスの面で実生活の場面に食い込んでくる未来が想定される。国内でも、2014年11月にみずほ銀行がコールセンターへのワトソン導入を発表し、実際すでに稼働している。
会計士・税理士に話を戻すと、最新のMM総研の調査によれば、クラウド会計ソフトの個人事業主での利用率は31.8%となっている。また、クラウド会計ソフトを認知しながらも、現在利用していない個人事業主(1万974事業者)に今後の利用意向を確認したところ、「今後利用したい」(6.4%)と「どちらかといえば今後利用したい」(29.1%)を合わせたクラウド会計ソフトの利用予備軍は35.5%となった。拡大を見せているクラウド会計の領域だが、一方でまだ6割強はクラウドサービスの利用を考えてはいない。
B2Bの会計領域では、パッケージソフトやクラウドサービスなどが進出して、そのシェアを拡大していった。現在、シェア拡大を狙うfreeeの場合は、「自動化によって余った時間による本業の推進」でより高い付加価値の提供ができるとして、会計士や税理士とともに手を取り合う姿勢を見せている。なるほど、税理士、会計士は生き残りをまだ見せている。
では、税理士、司法書士、行政書士、社会保険労務士など残りの士業ではどうなのか。そもそもIT化で一部機能を代替してきた会計士や税理士は、ビジネスとしての価値が強く、代替することで儲かるという部分があったわけだが、じつは今、KUFUの『SmartHR』などの社労士のクラウド化が現在勢いを見せている。
2016年5月31日開催のASCII STARTUPセミナーイベント”過熱する法人向けビジネスクラウド新事業 新進スタートアップが明かすサービスの秘訣”では、クラウドバックオフィス関連のサービスを展開する3社に、現場からの最新事情を直撃したい。
米国に比べて日本でクラウド化が進まない理由とそれを各社はどのように乗り越えるのか、そのような攻め方が大企業ができない理由は何なのか。新進気鋭のスタートアップが語り合う知見から、データだけではない実際の取り組みから見えるヒントをぜひあなたのビジネスに生かしてほしい。
●登壇者紹介
宮田 昇始氏(株式会社KUFU 代表取締役CEO)
SmartHRを開発する株式会社KUFUの創業者。TechCrunch Tokyo 2015 最優秀賞、B Dash Camp 2016 優勝。サラリーマン時代、10万人に1人と言われる疾患を発症。完治の見込みは20%と宣告を受けるも、社会保険制度を活用し無事完治。社会保険のありがたみを身を持って感じる。3年後、Open Network Lab 10期生に採択。期間中にピボットし、社会保険制度の課題を解決するSmartHRを発案。
髙谷 元悠氏(株式会社BEC 代表取締役)
神戸大学在学中に公認会計士試験論文式に合格。在学中にスタートアップ4社で勤務し、WEBサービスの企画・営業、Ruby on Railsによる開発、事業計画書の作成、経理を担当。大手監査法人に勤務後は、IPO支援、M&A、上場企業監査を担当。サイバーエージェント主催のイベントにて優勝し、株式会社BECを創業。士業のクラウドソーシング「Gozal(ゴザル)」を、正式リリースから8ヶ月で日本最大級の士業クラウドソーシングサービスに成長させ、中小企業のバックオフィスの悩みをゼロにするべく奮闘中。
古橋 智史氏(スマートキャンプ株式会社 代表取締役)
新卒でみずほ銀行に入社後、株式会社Speeeに転職。SEOサービスの新規開拓営業を経験し、株式会社ネットマイルで事業立ち上げを経て2014年に同社を設立。法人向けクラウドサービスを口コミ・比較から探せる資料請求サイト「ボクシル」を運営。
『過熱する法人向けビジネスクラウド新事業 新進スタートアップが明かすサービスの秘訣』
●開催概要
■日時:2016年5月31日(火)
受付開始 18時30分 開演 19時 終了予定 21時30分
※ビル正面玄関の受付は20時までとなりますのでご注意ください。遅れてのご参加の場合は主催者までご連絡をお願いいたします。
■場所:株式会社KADOKAWA KADOKAWA第3本社ビル 9F
東京都千代田区富士見1-8-19
■入場料:2000円(学生500円)
■募集人数:合計50名(予定)
■主催:KADOKAWA
■内容
各社プレゼンテーション
パネルディスカッション
※セミナー後に交流の時間を用意しています。
※プログラム内容は予定です。都合により変更となる場合があります。
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