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スマホの発表会で「夜空の花火」を撮る方法

2016年05月20日 15時00分更新

 5月11日に開催されたNTTドコモの2016年夏モデル発表会では、最新のスマートフォンが勢揃いしました。

 ここで筆者が気になったのが、各社のデモ展示です。以前からこうした製品発表会では、新機能を分かりやすく見せるため、多くのメーカーが様々な装置を作り込んできました。

 今回の発表会では、特によくできた仕掛けが多かったので、この機会に取り上げてみたいと思います。

AQUOS ZETAの新モードを「夜空の花火」で試す

 シャープのAQUOS ZETA(SH-04H)は、カメラ機能として新たに「花火」モードを搭載しています。一般的な夜景モードのようにシャッター速度や明るさを調節するだけでなく、夜空に花火が開いたタイミングで自動的にシャッターを切ってくれるという、まさに花火に特化した機能です。

 これを確かめるべく、発表会場を真っ暗にして花火を打ち上げるというのはさすがに無理があります。その無茶な要求になんとか応えたのが、このボックスです。

装置の底にはタブレットが置いてあり、画面では花火の動画を再生している。そこに箱をかぶせて、光を遮っている。

上部にAQUOS ZETAを取り付けることで、夜空に打ち上がる花火を擬似的に再現。あとはシャッターチャンスを自動的に判断して撮影してくれる。

 いかにスマホの開発といえども、そう何度も本物の花火を使って試すわけにはいかないはず。シャープの開発チームも、これに似た装置を使って卓上でチューニングを繰り返したのではないかと想像できます。

Galaxy S7 edgeは小さなF値や高速オートフォーカスを実演

 

 5月19日に発売され、予約数も好調との声が多いGalaxy S7 edge(SC-02H)。F値1.7という明るいレンズを搭載し、「デュアルピクセルセンサー」によりオートフォーカス速度が向上しています。

 ただ、どちらのスペックも目に見える形で表現するのは難しいところ。そこで登場するのが、このボックスです。

箱の中に入れたぬいぐるみにカメラを向ける。同じ光量でも、Galaxy S5と比べてGalaxy S7 edgeは圧倒的に明るいことが分かる。

こちらはオートフォーカス速度を示すデモ。スタッフが仕切り板を素早く持ち上げることで、被写体にカメラを向けた瞬間を再現している。

Galaxy S5に比べてGalaxy S7 edgeは一瞬でフォーカスが合うことが分かる。

 できれば前モデルであるGalaxy S6との比較も見てみたいところですが、一般的には2年前の機種であるGalaxy S5からの買い換えのほうが多いと思われるだけに、比較対象としては妥当といえるでしょう。

Xperia X Performanceは画面オンの前に撮影が終わる

 Xperia X Performance(SO-04H)のカメラの特徴は、わずか0.6秒の高速撮影です。なにが0.6秒かというと、カメラを起動してオートフォーカスが働き、撮影が終わるまでの時間となっており、よく分からないけど凄いスペックです。

 これを分かりやすく時間できるのが、画面オフの状態で本体側面のカメラボタンを長押しすると、画面がオンになる前にシャッターが切れて撮影が終わるというもの。これを試すために作られたのが、「ボタンと穴と円柱」です。

左下の赤いボタンを押すと、数秒後に穴から円柱が飛び出す装置。円柱が飛び出たのを見てから、カメラボタンを長押しする。

画面がオンになる頃には、撮影が終わっている。改めてギャラリーを開き、円柱が撮れていることを確認しよう。

 ちなみに右側にあるボールはごろごろと動き回っており、動く物体にフォーカスを合わせ続ける動体検出エンジンを試すもの。これらはいずれもMobile World Congressのソニーブースに使われていた展示を小型化したもの、というのは豆知識です。

arrows SVを10円玉でこすると、削れるのは10円玉のほう

 富士通から携帯事業が分社化した富士通コネクテッドテクノロジーズは、arrows SV(F-03H)の堅牢性をアピールしていました。

arrows SVは、側面をハードアルマイト加工しており、傷がつきにくい。長く使うことを意識したという。

 arrows SV本体を装置に固定し、側面には10円玉を上下させながら、ぐりぐりとこすりつけていきます。

 するとarrows SVの側面には、みるみるうちに傷跡が付いていきます。しかしこれは10円玉の粉。軽く払い落とせば、arrows SV本体には傷ひとつ付いていません。

10円玉をこすりつけると、削れるのはarrowsではなく10円玉のほうだった。

 こうしたデモ装置は、家電量販店やショールームなどでたまに見かけることはあるものの、あまり表に出てくるものではありません。それゆえに、簡単な仕掛けで新機能を分かりやすく見せたいという、各社の苦労が伝わってきました。

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