ギター生活45周年を記念した渡辺香津美のニュー・アルバム、「ギター・イズ・ビューティフル KW45」には、渡辺氏を尊敬する世界的ギタリストや、次代を担う若手奏者がデュエットで参加。リー・リトナー、マイク・スターン、Char、押尾コータロー、SUGIZO、伊藤ゴロー、生形真一、三浦拓也、沖仁、高田漣、井上銘が名を連ねる。
1曲目「ザ・カーブ・オフ・ライフ」。リズミカルにアクセントを付けながら、尖鋭な音調で快適に進行する。4月14日に東京・八重洲のGibson Brands Showroom Tokyoで行なわれたライブイベントにて、渡辺香津美本人がコメントしたところによると、「生形真一くんが曲のコンセプト決めのときに、彼の中の渡辺香津美イメージで曲を作ってくれて、それをベーシックにやっていこうと。彼はギブソンのES-355の使い手なんだけれども、今回はアコギでやりたいということでギブソンのハミングバードを持ってきて、じゃあそれでやろうと。僕は70年代後半から使っていたOvation Super Adamasを持ち出しました」
10曲目「リップルシング」はアコースティック・ギターのデュエット。ひじょうに生々しく、伸びがクリヤーだ。二つのギターの絡みが、豊かなアンビエントを伴い、直接音を明瞭に押し出しながら、音場空間に七色の色彩を放射する。11曲目、マイクスターンとの「ソレイユ」はエレキのデュエット。けだるさと都会的なセンスが、心地良い音階感と、音楽進行を演出している。生々しい音だ。
FLAC:96kHz/24bit
ワーナーミュージック・ジャパン、e-onkyo music
台湾で「天才超絶美少女」として人気の15歳チェリスト。Nana(ナナ)は芸名。伯母は歌手欧陽菲菲。大ヒット曲の「ラヴ・イズ・オーヴァー」も収録されている。
1曲目「コンチェルト・ポロネーズ」はたっしゃな弓捌き。力感たっぷり、輪郭に力が漲る、テンションの高い音調だ。センター定位のチェロ音像はくっきりと屹立し、デュエットのピアノも大きめで明確なイメージ。ソノリティはとても豊かだが、直接的な音像を響きでカバーするほどの過剰さはない。8曲目、「愛の挨拶」はまだこの曲の微妙なニュアンス感を表現するところまでは、演奏的には達していないが、ラブリーで耳触りが良い。耳の心地よさがNanaのチェロの美質だ。
FLAC:96kHz/24bit
Universal Music、e-onkyo music
1995年にリリースされた、大貫妙子の16枚目アルバム。ブラジルとロサンジェルスでレコーディングされた。1曲目「美しい人よ」が素敵だ。原曲は1923年に作られたスペイン曲「LA VIOLETERA」。チャップリンの「街の灯」で有名になったナンバーだ。実に美しい音楽であり、音だ。冒頭のベース、アコーディオンからして、シャンソンのようなチャーミングさ。豊かな感情を湛えた、ヌケがクリヤーで、透明感の高い艶々したヴォーカルが素敵だ。ニュアンス、感情つけがとても細やかで、耳に快感的な声だ。アコースティック・ベースの豊かな低音の上に、ピアノ、パーカッション、ヴォーカルが安定したポジションを音像的に獲得している。
FLAC:96kHz/24bit
Universal Music、e-onkyo music
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