観客参加型のコンサートは不安や疑問がまだある
「和歌山と大阪で公演を行ないました。大いに盛り上がって楽しいコンサートでしたが、本拠地である東京公演は絶対に外したくないと思って臨みました。まぁ、コンサートはフタを開けてみないとわからないので直前まで不安でしたが、無事に終わって良かったですね」と植松氏。
「客席も埋まっていてびっくりしました。というのも、直前にスクエニさんからチケットがあんまり売れていないという話を耳にしまして……。大丈夫かなと思っていましたが、これだけ入って盛り上がれたので万々歳です。東京では6月公演もあるので、飽きられないようにすることをこれから考えないといけないですね」(同)
その後、記者陣からの質問にも答えていただけました。
── ゴールドソーサーをリコーダーで演奏するときに、客席から“どよめき”があったのは狙っていたのですか。(演奏者が自分の楽器を置き、リコーダーに持ち替えたため)
植松氏:狙っていたというよりも、すでにあの楽曲は発売中のCDに収録しているんですよ。和歌山でも「ざわざわ」ってなったので、意外とCD買ってないんだなって(笑)。
シエナ・ウインド・オーケストラ(シエナ)の人も自分の楽器を横に置いて、ソプラノからアルト、テナー、バスまで各リコーダーを用意して吹いてくれたのはうれしかったですね。そりゃ、プロフェッショナルの人たちですから自分の下手な演奏って見せたくないんですよ。普段やっている楽器はまだしも、(リコーダー演奏は)小学生以来だよっていう方々に演奏してもらうのは失礼なのかなとも思いました。ただ、50人でのリコーダーによるアンサンブルはどうなるかなという個人的に気になったことをやってもらいたかったんです。
リハーサルをやっていると、意外とシエナの皆さんが楽しそうに練習していました。小学生の頃を思い出してたんですかね(笑)。本番じゃないときも楽屋などでリコーダーを練習している音がよく聞こえてくるんですよ。慣れていないから不安なんでしょうね。まぁ、これも20回くらい演奏すればだいぶ変わってくると思いますよ。
お客さんといっしょになって合奏
── 客席の方もリコーダーでいっしょに演奏するという試みはいかがでしたか。
植松氏:あまり知られていなかったのか、思ったよりも参加人数が少なかったです。ただ、ステージ上で演奏していても、お客さんの音色が聞こえるんですよ。いっしょになって合奏している感じが伝わってくるんです。
── 最後に演奏した全員が「ピタッ」と止まったのはすごかったですね。
植松氏:みんな指揮者をちゃんと見ているんですね(笑)。僕はまだちゃんと吹けないんで視線は譜面にあるじゃないですか。でも、栗田さん(指揮者)のテンポを見ないといけないんです。僕はこれまで指揮者を見て演奏するという音楽をやったことがないので、「あ、こういうことなんだ、指揮者を見ながら演奏するってのは」というのが新鮮でした。指揮者の腕の振り方でさまざまな音を表現したいんだなっていうのが伝わってきますね。
まぁリコーダーを終えるタイミングに関してはみんなが止まったら止まろうと思っていました(笑)。
Photo by Shinjiro Yamada
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