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駅の標識や広告など、さまざまな分野に利用可能

どの方向から見ても自分に向いているように見えるディスプレー

2016年05月11日 19時00分更新

ディスプレーの試作模型(a、bは別角度から撮影)と利用例(cのイラストの矢印箇所)

 国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)は、360度どの方向から見ても正面を向いているように見える表示技術を開発した。

 これまで、表示の見やすさの研究はなされてきたが、異なる角度からでも見やすいという研究はあまり行なわれていなかった。新技術は特殊なレンズを用いることで、どの方向から見ても正対した表示が可能になる。

従来の掲示方法(上)と、開発したディスプレーを利用した場合(下)の異なる方向から見た表示の見え方の違い

 新技術には動力は使わておらず、見る角度によって別の絵が見えるレンチキュラーレンズ(カマボコ型レンズが並ぶ平面レンズ)玩具のようなしくみ用いていると考えられる。複数の人がそれぞれ別々の方向から見ても同じように見えるため、パブリックビューイングなどでの表示の不平等を低減することも可能。

赤の利用者には赤い面が、青の利用者には青い面があたかも図の柱の中に設置されているかのような効果を実現できる 

 プロトタイプは小型のものながら、ディスプレーサイズには制限がなく、また動画にも適用できる。各種の標識や広告など、さまざまな用途に向け、実用化を目指すとしている。

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