プレーヤーの周辺機器とは侮れない、プロ仕様の本格派
Astell&Kern、PCM384kHz対応の「AK Recorder」で録音市場に参戦
最も手軽(?)に買える、AK300シリーズの末弟も登場
AK RECORDERはAK320、AK380などと一緒にする必要がある。ただし両機種とも高価なモデルでもあるため、同じデザインで機能を若干絞り込みより入手しやすくした新モデル「AK300 64GB MIDNIGHT BLACK」もリリースする。AK320をシングルDAC化し、内蔵メモリーを64GBに減らしたモデルとなる。発売は5月下旬で、海外での価格は899ドル(日本の価格は未定)となる。
安価というのは厳しいが、上級機とそれほど変わらない構成であることを考えると納得いく価格ではある。
プロの現場で“積極的に使いたいと思わせる”魅力もある
発表会ではプロの声として、レコーディング・エンジニアの杉山勇司氏から、ビデオメッセージが寄せられた。
AKシリーズの音質の高さは知っていたとする杉山氏。となると唯一気になる部分は「マイクの音色」。そこでもし意見を述べられる機会があるのなら「DPAのマイクに絶対してほしい」と思っていたそうだ。しかしふたを開けたら、すでにDPAのマイクがバンドルされる話が進んでいると知り、感心したとのこと。
ビデオでは、実際に録音した結果を踏まえ、「DPAの期待した通りの音が収録できており、メモ用途などに限定せず、本当のトラックに使える実力がある。音楽録音に使ってみたいと思える音質だ」と感じたとコメントした。
また、PCM384kHzやDSD5.6MHzの録音はこれにしかできないものであるし、期待できる。サイズ面はポータブルというには大きくなってきているが、持ち運べ、バッテリー駆動できるという利点もあり、「この大きさでなければ入らない場所にマイクを置いていきたい」とした。DAWで時間軸を合わせて、ほかの機材と組み合わせれば、表現の幅を広げられるという考えのようだ。
例えば、広いスタジオの残響が響く場所に置いて、あとでそれを切り出して貼ったりとか、すごく響く階段などで録音したいとき、マイクのケーブルが届かないといったことがなくなるといった例を挙げていた。
発表会には、ギタリストのわたなべゆうさんも登場。生演奏を5.6MHzで録音した。その音源はヘッドフォン祭の会場でも試聴できるので、機会があれば体験してほしい。わたなべさんのギタープレイ自体大変魅力的なものだったが、チャペルの響きもよく拾っており、なかなか臨場感のある音であった。
演奏を終えたわたなべさんは「波の音を聴きながらの録音をしたことがあるが、こういったポータブルの機器であれば、その空気感もうまく収録できるのでは」とコメントしていた。
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