週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ソシャゲ課金マンガプロジェクトの裏側を探る(中編)

漫画家がクラウドファンディングを始めてからわかったこと

成功の際は自己管理を要し、不成立になる覚悟も必要

――ファンだったら、作品に出たいと思いますよ

 はまむら:恋愛マンガやスポーツマンガだったら登場したいかもしれませんが、僕らが描くマンガは、いわゆる“悪い”連中ばかり出てくるんですよ? 高額を支払ったあげく悪役にされちゃうんです。みんな怒らないか心配だなぁ(笑)。

――ユニークな企画ができるのもクラウドファンディングのメリットです

 はまむら:そうだと思います。出版社でここまで勝手にムチャクチャな企画をやるには、そうとうな事前の根回しが必要だと思います。

――そのほかのメリットは

 はまむら:マンガの権利がすべて作者のものなので、その後の販売や持ち込みの可能性が残ります。特に今回の企画は「描き終わったら持ち込みます」と明言しているので、熱心なサポーターに後押しをしてもらって活動することになります。すでにたくさんの支援者が参加して下さっているので、僕らのような中堅漫画家でも、それなりの実績を持って出版社に売り込みに行ける……と思います。

――いいことばかりではないですよね。デメリットは?

 はまむら:お金を先に受け取っていますので、自己管理ができない漫画家には危険な仕事だと思います。いまはTwitterやFacebookなど、SNSでカンタンに他人の行動をチェックできる時代です。作家がサボっていると、すぐにバレます。「遊んでいないで早く描け!」って言われる(笑)。

――誰もが早く読みたいと思うからこそ、支援者になったわけですしね

 はまむら:どんなマンガでも支援者が集まるとは限らないのもデメリットというかリスクですよね。だから雑誌に載せられるチャンスがあるマンガは、先に出版社に持ち込んだほうがいいかもしれません。クラウドファンディングを始めるときは、心のどこかに「不成立になる覚悟」を持っておいたほうがいいと思います。僕は今回無事に成立して、そのおかげでこうして取材を受けていますが、ただ運がよかっただけです。応援してくださるみなさんに感謝しなければいけません。本当にありがとうございます!

――もし不成立の場合はどうしたでしょうか?

 はまむら:どうしてたでしょうね?(笑) 僕らは「ただ待っているだけで不成立になりたくない」と思っていたので、自分たちでたくさん告知をしました。自分のTwitterアカウントでしつこいほど告知して、ひとりでも多くの人に知ってもらえるように宣伝しました。

はまむら氏は自身のTwitterで宣伝活動をした

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この特集の記事