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Android 6.0でスマホの処理能力がアップ? 5.1との性能差を探る

2016年05月04日 10時00分更新

カメラ起動と指紋認証は高速化した?

 Xperia Z5 PremiumをAndroid 6.0にアップデートすることで、カメラの起動速度と指紋認証に違いが出るかを検証した。

シャッターボタン長押しでの起動時間を計測

 カメラ起動は、起動中のアプリをすべて終了させたうえで、カメラキー長押しでのカメラ起動速度を比較している。結果、若干ではあるがカメラの起動速度が素早くなっていることがわかった。カメラがウリの端末だけにうれしい改善点だ。

【カメラの起動速度】
・Android 6.0:0.86秒
・Android 5.1:1.25秒

 指紋認証については、Android 6.0とAndroid 5.1のどちらも、Xperia Z5 Premiumを初期化後に、同じ指の指紋を登録してテストを実施。Xperia Z5 Premiumの指紋認証センサー搭載の電源キーを押して、どれだけの時間でロック画面が解除されるかをテストした。

電源ボタンを押したままにし、指紋認証解除とホーム画面表示完了までの速度を計測

 結果、指紋認証の解除からホーム画面表示までの速度は特に変化が見られなかった。指紋認証の認識の感触も特に変わらず、指の端で電源キーを押すと認識しないことも多い。指紋認証の速度については特に変化が見られなかった。ちなみに指紋認証の仕様だが、併用するパスワードにパターン認識も選べるようになっている。

【スリープ状態から指紋認証を解除、ホーム画面表示までの速度】
・Android 6.0:1.23秒
・Android 5.1:1.28秒

microSDカードは従来通り、内蔵ストレージとしては使えない

 日本で発売されているAndroidスマホのほとんどは、32GBなど大容量の内蔵ストレージを搭載している。このため、アプリは内蔵ストレージに、microSDカードは写真や動画、音楽の保存用と使い分けるようになっている。Xperia Z5 Premiumも、アプリのデータは内蔵ストレージに、写真や音楽はmicroSDカードに保存する仕様だ。

 だが、Androidは初期のAndroid 2.Xのころから、アプリの一部データを内蔵ストレージからmicroSDカードに移動することができる。今でも、低価格SIMフリースマホの多くは、アプリをmicroSDカードに移動できるものが多い。事情として、海外の低価格スマホは内蔵ストレージが4GBや8GBと少ないものも多く、microSDカードへのデータ移動ができないと大容量アプリをインストールしづらいという背景がある。

 そこでAndroid 6.0では、microSDカードを暗号化された拡張ストレージとしてフォーマットし、アプリのデータを移動できる機能が改めて追加された。

 では、Android 6.0にアップデートしたドコモのXperia Z5 Premiumでも、microSDにアプリのデータを移動できるのだろうか。実際に試したところ、アプリのデータはmicroSDに移動できなかった。Andorid 5.1の時と同じく、microSDカードは写真や音楽、動画の記録用となる。

SIMフリースマホの多くは、アプリのデータをmicroSDカードに移動できる。このアプリの場合、0.92GB中の841MBぶんをmicroSDカードに移動可能だ

Android 6.0にアップデートしたドコモのXperia Z5 PremiumにmicroSDカードを挿入。通常のSDカードとして認識され、内部ストレージとして設定する項目は表示されなかった

保障外だがAndroid 6.0でもFlash Playerは動く

 最後に、メーカー無保証の内容についてもテストしておく。この内容は自己責任で試してほしい。

 以前は、Android向けの「Adobe Flash Player」が存在していた。だが、Flash Player 11.1で開発やサポートは終了している。サポートするOSはAndroid 4.0までで、それ以降のAndroidスマホでは動作しない。

 ただし、Android 4.0向けFlash Playerは今でもAdobeの開発者向けサイトからapkファイルとしてダウンロード可能だ。無保証かつセキュリティーの問題もあるが、提供元不明のアプリとしてインストールできる。

Flash Player 11.1 for Android 4.0(11.1.115.81)

「設定」→「セキュリティ」から「提供元不明のアプリ」をオンに。apkファイルをダウンロードし、インストールする

 実験として、Android 6.0にアップデートしたXperia Z5 PremiumにAndroid 4.0向けFlash Player 11.1をインストールした。Android版Firefoxブラウザー上のプラグインとして動作させたところ、かんたんなカードゲームや大規模なFlashゲームまで、少し触った範囲ではあるが快適に動作した。

FirefoxブラウザーでPC向けFlashコンテンツが動作した

 Android 6.0ではAndroid 4.0向けFlash Player 11.1の動作は保証されていないうえに、セキュリティー上の問題もある。繰り返しになるが、個人で試すにしても、あくまでも自己責任となるので注意してほしい。

 3回にわたってAndroid 5.XからAndroid 6.0にアップデートした際の操作性の違いや性能差を検証してきたが、文字の範囲選択や画面キャプチャーも操作しやすくなっているほか、アプリごとに細かく権限を設定でいるなどセキュリティー面も進歩。さらに処理性能面でも改善が見られるため、対応端末ならアップデートをためらう理由はない。

 Android 6.0の提供が予定されていないスマホのユーザーにとっては、端末買い替えのきっかけにもなりそうなOSアップデート。そろそろ発表される夏スマホから、Android 6.0への移行が一気に加速しそうだ。

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