※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。初見の方はご注意ください。
現在のAndroid OSの最新安定版はAndroid 6.0(Marshmallow)ですが、3月9日にはもう次期Android新バージョンとなる「Android N」のDeveloper Previewがリリースされました。
これはその名のとおり、開発者向けプレビュー版で、いままでも新しいAndroid OSが出るたびに何度か提供されてきた取り組みで、Nexusシリーズのような特定の端末に限られているので、筆者のようにXperiaばかり買っているユーザーは対象外。
しかし、今回ばかりは状況が違います。なんと、4月21日に、ソニーモバイルの「Xperia Z3(D6603/D6653)」でも、Android N Developer Preview版が利用できるという発表があったのです! いつもは遠目で羨ましがるだけの生活に終止符。ヒトバシラーとなれる嬉しさといったらありません!
どうして、「Xperia Z5」シリーズではなくて、「Xperia Z3」なのかは理由はよくわかりませんが、逆に考えると「Xperia Z3」以降のモデルには、次期Android OSがサポートされるという意味にもとることができます。今回のDeveloper Preview版の提供は、あくまでもグローバルモデルの「Xperia Z3(D6603/D6653)」に限られてはいるものの、なんと奇遇なことに、去年そういえばパープルカラー欲しさに「Xperia Z3 Purple Diamond Edition(D6653)」を買ったなーと思い出し、早速試してみることにします。
Developer Preview版を導入する事自体が初めてで、Nexusシリーズと同じようにできるのかと思いきや「Android Beta Program」にログインしても「対象のスマホもってないでしょ!」と怒られて終了。なんてことだ! と思いながら公式ページを改めて読んでみると、おもいっきり手順ががていねいに書いてました。「Xperia Companion」アプリを使ってね!と(汗)
Windows PCと「Xperia Z3」をUSBケーブルで接続して「Xperia Companion」を起動します。これまたパッと見たところ、どこにもDeveloper Preview版への道標がなくて戸惑いましたが、ウェブサイトをくまなく読んで見ると「Alt」キーを押しながら、メニュー画面にある「修復」というボタンを押してねということでした。すると、「Xperiaのソフトウェアの修復(Developer Previewモード)」なるものが現れました。
後はウィザードにしたがって進めていくと、アップデート同様にデータをダウンロードして「Xperia Z3」に転送したのちにインストールされていくという流れになります。
「Xperia Z3」が起動するのを待つと、初めてみるXperiaロゴとディスプレー下に、「N DEVELOPER PREVIEW」という文字が見えるので成功しているのがわかりホッとします。その後、「Android N」のセットアップ画面が出てきました。成功です!
Androidのバージョンを確認すると、ズバリ「N」のみ。なんとシンプルなことでしょう。今後、どんなお菓子の名前に由来したコードネームに変わるのか興味があります。ちなみに、3月最初にリリースされて2回目にでてきた「Developer Preview 2」になっているようです。
ホーム画面も恐ろしいほどにシンプルでどこも変わってないように見えます。ホームアプリは、従来の横スクロールから縦スクロールに変化していました。
基本的に大きく変わったところはないように見える「Android N」ですが、ド派手に変わった新機能もちゃんとあります。それは「マルチウインドウ」です。
右下の□ボタンをタップすると、起動していたアプリの一覧が出てきますが、ここでアプリを選んで画面の端っこに寄せると、画面を分割した見た目になります。これで、画面の半分でアプリを使いつつ履歴を見るとか、半分半分にアプリを開いて同時に使うこともできます。
真ん中の境界線を動かしてそれぞれの領域を変えることもでき、そのままひっぱると単独アプリになるといった具合で、なかなかの使い勝手です。これさえあれば、動画を見ながらTwitterで実況といった使い方がかなり捗りそうです。ちなみに、いままであったスモールアプリがなくなってしまっているのですが、開発段階だからかもしれません。
通知バーにあるクイック設定もおもいっきり変わっています。一度ドロップするとよく使う5つの項目、さらにドロップするとさらに複数のクイック設定が選べるようになっていて、2ページ目も登録できるようになるなど多くの設定を配置できるようになっています。
それから、通知される設定も変更できるようになっていたり、通知バーにやってきた情報からすぐにリアクションがとれるようになっているのはなにげに便利です。これは、ちょうど「SmartWatch 3 SWR50」などのAndroid Wearの機能が端末側でもできるようになっているようです。
ほかには、Android 6.0(Marshmallow)にも備わっているスリープ中のバッテリー消費を制御する「Dozeモード」が改良されていたり、バックグラウンドで動作するアプリの通信量を抑える「Data Saverモード」というのもあります。
「Android N」のDeveloper Preview版の内容は、すでに試しているひとには既知の内容ではありますが「Xperia Z3」でソニーモバイルの独自アプリが残っているかどうかというのが非常に気になるところです。
結論から言うと、清々しいほどに純正アプリは入っていません。ディスプレー設定を見ても、高画質モード(X-Reality)や手ぶくろモード、ホワイトバランス、スマートバックライトなどはなく、音設定にはDSEE HX、ClearAudio+といったオーディオ設定も、電池設定にはSTAMINAモードも、文字入力のPOBoxもありません。
やはり素のAndroidなのか……と思いましたが、唯一、カメラアプリだけはソニーモバイルの独自アプリで入っていました。UIは、Android 6.0(Marshmallow)以前のタイプで、カメラアプリには「プレミアムおまかせオート」と「マニュアル」のみが入っており、後はダウンロードして使えるようです。
細かな設定も純正カメラアプリと同じように、シーンセレクション(SCN)も、手ぶれ補正やHDR、タッチ撮影も使えるのはそのままで、ちょっとホッとしました。もしかすると、バージョンが上がれば増えてくる可能性は充分にあります。
挙動に関しても、たまにフリーズすることもありますが、おおむね安定して動いてるので今後のアップデートにも期待が高まります。最終的に、Android 6.0(Marshmallow)の端数のバージョンなのか、それともメジャーアップデートとして「Android 7.0」となるのかはおいまのところわかりませんが、第3四半期にも正式版がリリースされる予定となっているようで、それまでいろいろとテストしてみたいと思います。いやー、ヒトバシラーって本当に楽しいですね!
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