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シリーズ国内初のSIMフリー機「Xperia J1 Compact」:Xperiaヒストリー

2016年04月23日 09時00分更新

 国内でもドコモやau、ソフトバンクといった主要キャリア以外のMVNOがにわかに活気づいてきたのが2014年の春ごろからですが、MVNO向けのスマートフォンとして国内で最初に登場したモデル、それが「Xperia J1 Compact」です。

 すごくオリジナリティーあふれるモデルというとそうでもなく、見た目も中身もドコモが2013年6月に発売した「Xperia A2」をベースにしたモデルでしたが、国内初のキャリア(MNO)を通さないSONYオリジナルモデルには間違いありません。

 サイズは65(W)×9.7(D)×128mmで重量は約138g。見た目はオムニバランス(全方位型)デザインという、表面と裏面がフルフラットでサイドがなだらかにカーブしているラウンドフォ ルム。シンプルで持ちやすい形状で、防水(IPX5/IPX8)や防じん性能(IP5X)性能もあります。

 「Xperia J1 Compact」はあくまでもコンパクトさがウリのモデルで、カラバリは1色。ホワイトをベースにして側面がゴールドという配色から見ても「iPhone 5S」といろいろと似た印象もあり、ライバルモデルとも言えます。

 液晶は4.3型(1280×720ドット)、“Live Color LED”バックライトに採用することで画像は色鮮やかで、IPSパネルによりナナメの角度からディスプレーを見ても視認性は高め。

 ホワイトバランスの設定もいじれるほか、色温度の違いは好みで調整でき、手袋をしたままでも操作できる「手ぶくろモード」もあります。

 動画をよりくっきり綺麗にみせる「X-Reality for Mobile」も搭載しています。そして、Xperiaのウリのひとつにもなっている「STAMINAモード」は、画面OFF時に無線LANととモバイルデータ通信を一時的に無効にしたり、アプリも停止するなどしてバッテリーの保ち具合を大幅にアップさせることができます。

 ほかにも「全アプリ終了」や「スモールアプリ」も健在で、複数のスモールアプリを立ちあげられるので、いわゆる“ながら作業”はとっても便利。

 キー入力には「POBox Plus」を採用。カスタマイズ性も高く、入力途中の予測変換はもちろん、もしも途中で入力を間違っても正しい予測候補を表示してくれます。変換候補を間違ってしまっても「取り消しキー」で再変換できたりと、使い勝手はさすがのひと言です。

 「片手キーボード」を使うと、キー全体を小さく表示して片手で持ったままタップしたい場合に一瞬でサッと変わります。画面の隅に指が届きにくいユーザーは、なくてはならない機能のひとつです。

 メインカメラは1/2.3型の約2070万画素のイメージセンサー「Exmor RS for mobile」に「Gレンズ」、画像処理エンジン「BIONZ(ビオンズ) for mobile」といった、ソニーのカメラ技術が導入されているため、単独でもコンパクトデジカメ並みのキレイな写真が撮れます。

 動画はメインカメラでもフロントカメラでも電子式手ブレ補正を有効化させつつフルHD(1080p)撮影ができます。

 スピーカーは本体底面にあるモノラルですが、「Clear Phase」をオンにしておくと内蔵スピーカーに適した音質になり、「xLOUD」をオンにするとオーディオの再生レベルが強調されるため、小さいボディーのわりにはしっかりしたサウンドを楽しめます。

 音楽を聴く際に「ClearAudio+」をオンにしておけば、イコライザーの調整やエフェクトを自動でソニーおすすめの音質に設定してくれるので、手軽に高音質を楽しめるという聴き方も可能。これはシンプルに使えるため便利です。

 さすがにハイレゾ音源には対応していませんが、ポータブルアンプと接続して別途アプリ(USB Audio Recorder PROなど)をインストールすれば、ハイレゾ音源プレーヤー化することもできます。

 用意する周辺機器のほうが多くなるため実用面としてはアリなのか、という疑問もありますが、できることはヨシとしておきましょう。

 せっかくのSIMフリースマホなので、「So-net PLAY SIM」での通信についてもお話します。「So-net PLAY SIM」は、データ通信のみのプランと音声通話を含むプランが用意されていますが、やはりオイシイのはランニングコストが安いプランです。

 データ通信のスピードに関してはMNOの回線を借りているので、確保できる回線のスピードや混雑する時間帯といった条件下では、当然本家の回線が優先されるためスピードに不満が出てくる可能性もありますが、それでも、ふつうに動画再生できる程度の快適さはあります。

 しかも、ほかのMVNOで利用されているような海外モデルを導入した場合、電波の掴みがあまり良くないということもなく、快適に使えます。

 また、MVNOスマホにとっても大きな転機がありました。というのも、もともと「Xperia J1 Compact」にはNFCが搭載されており「おサイフケータイ」対応がうたわれていました。「モバイルWAON」や「楽天Edy」「モバイルスターバックスカード」などは対応していましたが、当初は「モバイルSuica」には対応していませんでした。

 しかし、「モバイルSuica」がSIMフリー端末にも解放され「Xperia J1 Compact」でも利用できるようになったので、一気に利便性が向上したのです。

 余談にはなりますが、「Xperia J1 Compact」には「SNOOPY」や「メタルギアソリッド」といったコラボモデルも登場しました。中には、デアゴスティーニのロボキャラこと「ロビ」とコラボして、So-netから「ロビスマホ」も登場しましたが、これはあくまでも壁紙やウィジェットといったソフト面のカスタマイズで、ハードウェア的にはカバーが付属というところに留まっているあたり、見た目がそのままロボットな「ロボホン」には勝てません。

 「Xperia J1 Compact」は、Xperiaシリーズとしての基本機能はしっかりと押さえつつもキャリアとの兼ね合いがなく、ソニーの純粋なXperiaとしてプレーンに使える国内初の端末でしたが、先日販売終了となりました。国内SIMフリー端末として次なるモデルが出てくるのか? という点にも注目です。


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