国立研究開発法人 産業技術総合研究所は4月20日、超微細回路を簡単に大面積に印刷できる新原理を開発したと発表した。
「スーパーナップ法」と呼ばれる技術で、東京大学、山形大学、田中貴金属工業などとの共同で開発したもの。紫外線を照射して活性化したプラスチック基板表面に銀ナノインクを塗布、吸着させて配線とする。
印刷プロセスで簡単に配線を作成する技術は、スクリーン印刷(フィルム状の版を通してをインクをつける)やマイクロコンタクト印刷(スタンプで版を作って押しつける)、インクジェット印刷などがある。スーパーナップ法は、これら既存技術の数十分の1という線の細さでの印刷が可能で、なおかつ従来型印刷のような厚みの不均一も少ないという。
最小配線幅の最小0.8μmという幅は肉眼で見えるサイズ(回析限界)よりも小さいことから、透明なタッチパネルの配線に利用できる。また、印刷プロセスでは大気圧の常温下で可能なため、量産にも向いている。
低廉に高密度な配線が可能となることから、タッチパネルのほかにもIoTデバイスや各種センサー、アンテナなど幅広い用途に応用が可能。スーパーナップ法を用いたフレキシブルなタッチパネルセンサーが田中貴金属より2017年1月に製品化される予定。
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