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マイクロサイズの探査機を0.2光速で他恒星系へ

目指せアルファ・ケンタウリ!! 恒星間探査機計画が始動!

2016年04月13日 15時00分更新

レーザーで加速される超小型探査機

 Breakthrough Initiativesは4月13日、アルファ・ケンタウリを目指す恒星間探査機計画「Starshot」を発表した。

 これはスティーブン・ホーキング博士やFacebookの創始者マーク・ザッカーバーグ氏などが立ち上げたプロジェクトで、新たにロシアの富豪ユーリ・ミルナー氏が108億円もの資金提供を行なう発表とともに正式に公開された。計画では、ソーラーセイル付きの小型探査機を地上からのレーザーで推進、最大速度は光速の20%まで加速し、20年程度で最寄りの恒星アルファ・ケンタウリ到達を目指すという。

地上に建設されるレーザーアレイ 

 小型探査機の本体は名刺よりも小さなサイズで、ソーラーセイル付きでも約10m程度と小型、かつ軽量。超小型カメラなどを搭載し、観測データを地球に送信する機能を搭載する。地球上に建造されるレーザー発射施設はトータル出力10GW程度、受光するレーザーは10KW程度と見込んでいるようだ。

ユーリ・ミルナー氏とスティーブン・ホーキング博士。ミルナー氏はロシアの富豪(投資家)で、2015年には資金難に陥っていたSETI計画にも出資を行なった 

 計画は元NASA技術者がプロジェクトリーダーとなり、世界各地の研究機関なども協力するもので、これまで空想レベルのものであった他恒星到達を真面目に進めるようだ。

 太陽系外の超遠距離までレーザーの焦点を合わせる技術、わずか数g~十数gの探査機という超小型化技術が必要となり、今後もいっそうの基礎研究・技術開発が必要となる。

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