パナソニックとナガオカ、東洋化成の3社は4月12日、アナログレコードの活性化を後押しする「レコード再発見プロジェクト」を始動。そのお披露目会を東京タワー展望台で開催した。
パナソニックのオーディオブランド「テクニクス」のレコードプレーヤー「SL-1200GAE」の予約が12日に開始されたが、それに合わせて本イベントが開催された。ちなみに、SL-1200GAEは国内では300台の限定販売品で、33万円という価格にも関わらず予約開始から30分で完売となった。
そのテクニクスと、レコード針を製造するナガオカ、レコード盤の製造・生産を行なう東洋化成が共同で展開するのがこのプロジェクト。全国で試聴やトークイベントなどを行ない、レコードになじみのない人たちへその魅力を発信するとともに、オーディオファンに対してのバックアップも行なう。
パナソニック コンシューマーマーケティングジャパン本部 テクニクス担当の伊部哲史氏は、SL-1200GAEについて「ダイレクトドライブの再定義」とし、すべての部品を見直して、新金型を起こし、回転の揺らぎなどの問題をすべて解消したという。今回の機種で「感動的な瞬間をそのまま再現できると自負している」と語った。
なお、SL-1200シリーズは1972年に初代が登場。以降、シリーズ累計で350万台を出荷した「テクニクスの顔」と言える製品だが、2010年以降は新製品がなかった。SL-1200GAEは久しぶりの新製品となる。
このプロジェクトでは、カートリッジにナガオカの「MP-500」を使用。同社技術アドバイザーの寺村博氏は「最高級のカートリッジ」であり、「非常にナチュラルな音でジャンルを選ばず、レコードに収録された情報を限りなく引っ張り出してくれる」と製品をアピールした。
また、東洋化成 レコード事業部 カッティングエンジニアの西谷俊介氏は「感動を若い世代を含めて、多くの人と共有したい」と語り、3社が協力することで新たな可能性を引き出せることに期待を示した。
今回のイベントではゲストがアナログレコードの思い出などを語りつつ、おすすめの曲を持参して再生するなど、会場はレコード愛にあふれた雰囲気に包まれた。
今後の具体的な活動については「レコード再発見プロジェクト」公式サイトで開示していくとしているが、このようなイベントが全国各地で行なわれるようになると、アナログレコードの普及に拍車がかかるかもしれない。
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