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自閉症受容月間にAppleと大学の取り組みを紹介

Appleがオープンソース化したResearchKitって何?

2016年04月05日 16時30分更新

 Appleは、自閉症受容月間(Autism Acceptance Month)である4月に入り、公式ウェブサイトで「ディランを紹介します。」というムービーを公開した。これは、米国のデューク大学とケープタウン大学が、自閉症の研究を進めるためにResearchKitをどのように活用しているかを紹介する内容になっている。


 「ResearchKitとは、アップルがiOS向けに用意している医療系のAPI。このAPIに対応することで、各種バイタルデータの収集や分析が可能になり、大学などの高等教育機関や医療機関などがそのデータを使いやすくなるというもの。

 国内ではNTTドコモが、東京大学と共同で医療系アプリ「GlucoNote」を開発している。ResearchKitに対応したアプリとしては、慶應義塾大学と順天堂大学に続いて国内3例目だ。

 「GlucoNote」は、2型糖尿病患者と糖尿病予備群の人向けのアプリで、「ヘルスケア」アプリと連動して血糖値や血圧、体重などのデータをやり取り可能になる。

 糖尿病を悪化させないためには、毎日の食事が重要だ。「GlucoNote」では、写真で撮影した食べ物を分析して過去に食べた該当する料理候補を挙げてくれる。検索機能を使って料理を選ぶことも可能。選ばれた料理のカロリーや栄養素なども確認できる。食事中の写真をiPhoneの内蔵カメラで撮影してアプリに送ると、画像解析で過去に登録した類似の食事を調べてくれる。

 食事のほか体重や血糖値、血圧なども毎日記入してデータを蓄積していくことが重要。「ヘルスケア」アプリと連動している体重計や血圧計などを利用すれば、「GlucoNote」にも自動で反映される。iPhone の加速度センサーなどから読み取った活動量を分析する機能もある。

 先日のiPhone SEの発表イベントでは、このResearchKitと新たに加わったCareKitと呼ばれるAPIをオープンソースにして提供することが発表された。

 CareKitは、病状が快復したあとの自己管理に焦点を当てたAPI。退院後に、投薬や体温、痛みのレベルなどを自分で管理できるようになる。また、症状の悪化が止まったあとの経過観察などにもCareKit対応アプリを使えるようだ。生活習慣病の1つである糖尿病についても、日々データを入力することで重症化を防げるようになる。

 ResearchKitとCareKitによって、主に大学や医療機関が患者向けにバイタルデータを収集するアプリを開発することが容易になる。患者側にとってもスマホにデータを集約できるため使い勝手いい。さらに、iPhoneに付属する「ヘルスケア」アプリは、ResearchKitとCareKitだけでなくHealthKitと呼ばれるAPIにも対応しており、このHealthKitを利用した心拍センサーや体重計、活動量計などが取得したデータはすべて「ヘルスケア」アプリに集約される仕組みだ。「ヘルスケア」アプリに対応した体温計や体重計などもリリースされているので、日々の健康管理に役立ててみるのもいいだろう。

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