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嘘を12年つき続けた虚構新聞社主、悟りの境地

2016年05月03日 17時00分更新

 嘘をついちゃいけないと小さいころ親に教わったと思いますが、楽しい嘘だったらよいのではないでしょうか。嘘のプロである(?)「虚構新聞」社主、UKさんの素顔に迫ってみました。

「虚構新聞」とは……嘘のニュースを配信している個人サイト。立上げから今年で12年になる。

虚構新聞社主、地元は滋賀。オススメは近江牛。

ナベコ:虚構新聞社主であるUKさんは、お仕事もされているんですよね。なにをしているですか?

UKさん:塾講師の仕事をしています。メインで教えているのは中学生です。

ナベコ:では、仕事では子供たちに真実を教えているんですね(笑)。

UKさん:仕事では嘘はつかないです(笑)。ふだんあまり成人した大人と会話することが少ないので、今日ナベコさんと話していると、たまに感覚がわからなくなるんですよ。いつも無意識に子供にも伝わりやすい話し方をしているので、例えばこの語彙って難しいけど使っていいんだっけ、とか。

ナベコ:職業病ですね。読者の方には伝わらないと思うんですが、UKさん、滋賀にお住まいなので、言葉がとてもはんなりしているんですよね。

UKさん:はい、自宅は滋賀で虚構新聞もそこから配信しているんですが、生まれは京都でした。だから、滋賀というより京都弁が強いと思います。

ナベコ:地元の名物ってありますか?

UKさん:近江牛がおいしいです。牧場で直営しているステーキ屋さんがあって、東京で同じものがどれくらいの値段で出されているかわかりませんが、コスパがとても良いと思います。

ナベコ:ところで、虚構新聞社主UKさんというと、プロフィールでずっと使用している顔のイラストがかわいいですが、これは……。

UKさん:もちろんアレです。ゲームでつくりました。

ナベコ:そ、そうですよね。メディアに登場するときは顔出しはせず、お面をつけていらっしゃいますが、素顔もこの顔にそっくりですよね。穏やかな印象です。

UKさん:自分でもプロフィールのイラストを見ると他人とは思えません(笑)。

テキストサイトブームの時代にスタートさせた

ナベコ:ところで、なんで虚構新聞というサイトをつくったんですか?

UKさん:虚構新聞をスタートさせたのは12年前なんですけど、当時、テキストサイトをつくるのが流行っていて、ニュースのリンクを集めた個人ニュースサイトがたくさんあったんですよ。今でいうとニュースのキュレーションですね。

ナベコ:テキストサイトのブームの時代って私よくわからないのですが、それって広告を載せたりしていたんですか?

UKさん:いや、今みたいにバナー広告とかないですし、暇な大学生とかが単純に趣味でやっていたんだと思います。当時は、ネットビジネスってまだ成り立っていなかったんですよね。自分も完全に趣味で気楽にやっていたのですが、同じようなことを一生懸命やっているニュースサイトを見ると、情報の巡回も広いし動きが早いんですよ。同じことを取り上げても仕方ないので、どうやったら面白くなるかなと考えたところ、じゃあ自分でニュースつくろう、と。

ナベコ:ニュースをつくるという発想がスゴイ! それでオリジナルの嘘ニュースを。

UKさん:もともとエイプリルフールの時期限定の企画として嘘ニュースを出したんですよ。2004年のことですね。そしたら評判が良かったので、じゃあ継続してやろうと普通のニュースの中に半々くらいでシレッと嘘ニュースを入れてました。そのうち嘘ニュースだけでまとめようと、よく覚えていなのですが6月位には「虚構新聞」という名前でトップページを立ち上げ、今の感じにしたんです。

ナベコ:真実のニュースのキュレーションのつもりが嘘ニュースの配信サイトに変換したというのは、おもしろいですね。

UKさん:嘘ネタを出す同じような趣向のサイトって、後から知ったのですが虚構新聞の先にもあったので、先駆けとかではないです。あくまで趣向を凝らしたテキストサイトのひとつだと思っています。

ナベコ:へえ。実はお話をきいてもテキストサイトって今いちピンと来ないのですが、有名どころはどういうのがありますか?

UKさん:テキストサイトは有名なところだと「侍魂」とかありますね。たぶんナベコさんより上の世代の人たちでネットが好きな人だとみなさんご存知だと思います。あとヨシナガさんという人が運営している「僕の見た秩序。」とかも人気でした。あれは“ゆかいな誤変換”とかネタがありましたね。

ナベコ:みなさん、どういう目的でつくっていたんでしょうね。

UKさん:先ほども言いましたが、趣味だと思いますよ。自分の場合も、はじめはちょっと友達に見てもらいたい、そのくらいの感覚でした。

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