※週間リスキーはアックン・オッペンハイマーとやんちゃデジタルKidsたちがテクノロジーとサブカルチャーの交差点からお届けする、たいへんマニアックなコーナーとなっております。初見の方はご注意ください。
最近デュアルSIM対応スマホが増えていますよね。でも、SIMは2枚入れられるものの、片側は日本では存在しない2GのGSM方式のみに対応。つまり「4Gデュアル」とうたうスマホも、実は片側が4G(または3G)、もう片側は2Gにしかならないのです。「デュアルスロット4G」という製品もありますが、あくまでも「どちらも4Gに対応で、使えるのは片側だけよ」という意味。これが海外ならば片方はGSMで音声だけ使えるので十分使い物になるのですが、日本では常に1枚しかSIMは利用できないわけです。
ところが! あのシャオミの最新モデル「Mi5」は片側が4G、もう片側が3Gで利用できるというではありませんか! つまり、日本で夢にまで見た「2枚のSIMの同時待受け」ができてしまうわけです。とはいえ、日本でこのテストをやるにはローミングSIMの用意が必要ですが少し面倒。ということで、日本同様にGSMの飛んでいない韓国でテストしてみました。
まずは、ふつうにSIMを挿して起動してみる
用意したのは2枚のSIM。1枚は韓国KTのSIM。もう1枚は香港CSLのSIM。CSLのSIMは韓国で3G/4Gローミングが可能です。この2枚をさっそくMi5に入れて電源を入れてみました。
電源を入れてから立ち上がるまで、なんとなく普通のスマホより時間がかかっているような気もします。期待を込めているだけに、起動時間が長く感じられちゃうんでしょうか?
電源が入り、ちょっとサーチに時間がかかると思いきやすぐに電波を掴みました。表示されているのは、
・Olleh 4G:KTの4G(FDD-LTE)
・SKTelecom 3G:CSLがSKTelecomにローミングして3G(W-CDMA)
の2キャリア。問題なく両方の電波をつかんでいます。なお、このうち3G側は音声通話のみ対応とのこと。つまり、片側でデータ通信または通話、もう片側で通話が可能ということ。
本当に同時待ち受けなのか検証してみた!
さて、2キャリアの電波をつかんだとはいえ、片方の回線を利用中にもう片方の回線が止まってしまっては意味がないですよね。なので、つづいてはKTの4Gでデータ通信をしながら、SKTelecomの3Gで通話をテスト。無事データ通信中に音声通話もできました。ただし、データ通信速度は急に落ちる模様。
もしかして片側LTE、もう片側がW-CDMAの組み合わせだけ? 念のため4G側を3G固定にしてみたところ、このように3G+3G、つまり、W-CDMA+W-CDMAも利用できます。VoLTEがどうしたとかいろいろ細かい話はさておき、とにかく韓国でデュアルSIMのどちらも利用可能でした。というわけで、当然日本でも2枚のSIMの同時待受けが可能でしょう。
Mi5の4G+3G同時待受け、海外ではほとんど話題になっていません。2Gのある国なら通話は2Gでもオーケーですからね。また、シャオミも日本や韓国のためにこの機能を搭載したわけではなく、中国でも4Gと3Gがいまや当たり前ってことでの対応のようです。とはいえ、これで「ドコモの2年縛りがまだ残っているけど、MVNOの格安SIMも使いたい」という人が2回線を同時に使えるわけです。日本でも堂々と使える製品をどこかのメーカーが発売してほしいものですね。
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