大手企業によるスタートアップ企業への支援が加速している。直接的な投資や協業だけでなく、ピッチイベントの開催、イベントへの協賛、インキュベーションプログラム、アクセラレータープログラムの実施など。大手企業は何を狙い、スタートアップ企業へと近づくのか。
スターティア 第3回(全4回)
自己資金による直接投資を原則とするCVCを展開するスターティア。CVCの運用を行なうコーポレートベンチャーキャピタル事業推進室の人員はわずかひとり。それが室長の平岡万葉人氏だ。興味深い同氏のビジネス経歴について話を訊いた。
わずか6年でスタートアップ界隈の大きな変化を実感
2014年秋、約6年ぶりにベンチャー投資の世界に返り咲いた平岡氏は、たった6年間の間にこの業界が大きく変化したのを感じたという。そうした変化のひとつは、急速にプレイヤーの世代交代が進んだことだった。
平岡氏は言う。「投資する側も投資を受ける側も、以前よりも10年ぐらい年齢が下がったという印象を受けました。今では投資側のVC経営者が20代なんてケースもありますから。私が歳をとった分を合わせると、以前と比べて起業家の方々と自分の年齢差はかなり開いたことになり、世代交代が進んだのを実感しましたね」
そしてもうひとつの変化は、世間に流通するスタートアップに関する情報が格段に増えたことだった。
「スタートアップ専門の情報誌や情報サイトもたくさんありますし、スタートアップ支援に関するイベントもあちこちで頻繁に開催されており、必要な情報を得ることが容易にできるようになりました。10年ほど前までは、ネット上にもここまで情報は存在しておらず、埋もれていたスタートアップに関する情報を“発掘”するのが一苦労でしたから。それと大きいのがSNSの存在でしょう。数多くの起業家と投資家やVCがSNSでつながっていて、強力なエコシステムを形成しています。このように情報が充実し、スタートアップ支援のエコシステムが発達したのはよろこばしいことです」(平岡氏)
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