週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

アプガ古川小夏さんが、小型でクリアーな音が得られる理由を探る

真空だと音がいい? 開発者に聞くVECLOS開発の秘密

スピーカーユニットはVECLOSのために新規に開発

古川 高音質にするために一番苦労したポイントは?

スピーカーを高音質にするためには音を鳴らすスピーカーユニットと、それを入れるエンクロージャー(筐体)という2つの大事な要素があります。その2つがそれぞれ長所を伸ばしあう関係にならないといい音にならないのです。 真空効果を使ったエンクロージャーには遮音と制振という2つの長所があるので、今回はパイオニアさんに技術協力をいただいて、それを伸ばすためのスピーカーユニットを新規に開発しました。

苦労というよりも「こういうものを目指すためにはこういう部品を使ってこういう音にしていこう」というコンセプトを最初に決め、そこに向かってものづくりをしていったというこだわりですかね。

小さいのはうれしいです!

古川 開発にはどれくらい時間がかかりましたか?

具体的に動き出したのは2012年からです。まずは基礎研究からスタートし、開発に着手したのは2014年からですね。発売が2015年なので3年といったところでしょうか。

古川 ここまで小さくするのは難しくなかったですか?

小さくするというのは実はサーモスの得意とする領域です。魔法びんで培ってきた技術が活きているところだと思います。

古川 実際に持ってみて軽さにもびっくりしました

普通のスピーカーは音を鳴らすとき振動させないようにすると大きく重くなってしまいます。しかしわれわれは真空状態によって振動を吸収しノイズを外に漏らさない技術をもっているので、小さく軽いものが作れるんです。

軽いのは真空技術を採用しているから

多くのハイエンドスピーカーは振動によるノイズを少なくするため、ケースに剛性をもたせ重量を増やすことによって制振効果を得ているが、VECLOSは真空技術によって小さく軽いケースでも制振効果を確保している。また、子供用の小さな魔法びんやマグカップなどで培った、ステンレスを小さく軽く成形する技術も活きている。

ケーブルは操作を分かりやすくするため、あえて入れました

古川 モノラルタイプとステレオタイプの2種類があるのですが。

ステレオタイプは2つの筐体をケーブルで繋ぐことによってステレオ効果を出しています。一方モノラルは1つの筐体だけで駆動させることができるようになっています。

古川 このケーブルはなくせなかったのですか?

他社さんではケーブルレスのスピーカーも出ていますが、電源を入れるときに2台のスイッチを同時に長押ししなければ立ち上がらないといったように操作や設定が複雑になりがちです。一方VECLOSはケーブルで繋いでしまえば親機のスイッチを押すだけですぐに使えます。なくすことは可能だったのですが、操作を簡単にするためにあえてケーブルで繋ぐ方式にしました。

古川 確かに操作が難しい機械って多いですもんね。

はい。誰でも簡単に使えるように、基本的に操作はボタン一個で全部できることを目指して作りました。

古川 あたしはめんどくさがり屋なので簡単なのは嬉しいです。

古川さんは普段スピーカーは利用していますか?

古川 家にはCDプレイヤーがありますけど、最近はイヤホンで聞いたりスマホのスピーカーから直接出しちゃったりするのでスピーカーは持ってないですね。 でも、わたしはたくさんライブを経験しているぶん、音の感じ方も普通の人より敏感になっていると思います。これだけ軽くていい音が出るのであれば、妥協せずにスピーカーで聞いてみたいなって思っちゃいます。

そうですね。スピーカーで聞くと空気が伝わってくるので、イヤホンとはかなり違う感じがしますよ。

複雑な設定なしで使えるよう、ボタン1個だけにしたかった

ラインナップは2台をケーブルで接続して臨場感のあるステレオサウンドが楽しめるステレオタイプと、1台単独で使える携帯性に優れたモノラルタイプの2種類。どちらもボタン一個でほとんどの操作ができるシンプルなインターフェイスがうれしい。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事