日本電信電話(以下NTT)とパナソニックは2月9日、直感的な操作で情報取得ができる「おもてなしサービス」の実現に向けた技術検証をはじめたことを発表した。
今回発表された技術検証では、NTTが開発したデバイス機能仮想化技術(情報をエッジサーバーで分散処理する技術)と、パナソニックが試作した透過型ディスプレー搭載端末を活用。今後は利用検証を進め、対象物をディスプレーに透過すると、仮想化技術で処理した対象物に関する情報がディスプレー上に表示されるというサービスの提供を目指す。東京オリンピックが開催される2020年に向け、訪日外国人が増加し、難しい操作の必要ない端末やサービスの需要が高まることを見込んで開始した。
デバイス機能仮想化技術(NTT)
端末での処理機能をエッジサーバで分散処理するための技術。アクセスポイントへのデータ収集処理機能の追加や、スマートフォン周辺端末などへの処理機能の追加が可能になる。今回、NTTは本技術をパナソニックによる端末試作機を用いて検証。端末に高度な処理性能を持たせず、エッジサーバで分散処理することで、CPU、メモリー容量、通信機能などがシンプルな端末でも情報表示が可能になるという。
透過型ディスプレー搭載ポータブル端末
象物をディスプレーに透過して見ながら、搭載したカメラのシャッターボタンを押すと、対象物に関連する情報をディスプレー上に表示するもの。ディスプレー部には透過率の高い無機ELデバイスを採用。発光材料の薄膜生成の改良とガラス基板配線の最適化をおこなうことで、透明度を維持しながら無機EL現行品に比べて2倍の輝度を持つ高輝度、高透明度のディスプレーを実現したという。また、業務用ディスプレーや堅牢パソコンの技術を応用し、シンプルなハードウェア構成にすることで、小型化を実現している。試作機の表示可能領域は5型で重量はおよそ150g。サーバーとの通信はBluetoothでおこなう。
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