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ThinkPad X1 Tabletの開発秘話

2016年02月12日 00時00分更新

薄型化と拡張性、操作感をどう共存していくかに試行錯誤

 薄型筐体ということで、本体に搭載できる入出力端子は最小限となる。そこで搭載したのがUSB Type-Cだ。コネクター自体が従来のUSBよりも小型で、データ転送だけでなく、ここからの充電にも使用する。抜き差しの向きの自由度が高く、ディスプレー信号も流せるなど利点は多いが、まだ成熟していないこともあり、互換性には苦労したそうだ。

メイン基板。本体の大半をバッテリーが占めているため、基板単体で見ると非常に小さく見える。チップの実装は片面に集中しているが、これは薄型化のためとのこと。

 またWiGigを活用した無線ドックにも対応。トレードオフになりがちな入出力端子を最新の規格で補いつつ拡張性を確保している。こう書くと簡単そうだが、実際にはアンテナ位置を含めた細かな調整が必要で、PCモードやタブレットモード、あるいは机上やひざ上、手持ちなど利用するスタイルに応じて複数のパターンのテストを実施。最も適したアンテナ位置を決めている。試行錯誤が必要だった。

WiGigのモジュール。

アンテナの受信感度のテスト

 2048段階の筆圧検知に対応した「ThinkPad Pen Pro」も用意しているが、その取り付け方法も独立。カバーを兼ねるキーボードは赤と黒の2種類があり、トラックポイントとLEDバックライトを内蔵しながら、5.2mmと非常に薄い点も特徴だ。

特徴的なペンの取り付け方法。

 キーボードの薄型化のポイントになったのは、トラックポイントの高さだ。今回のキーボードでは、キーストロークは1.35mmに限定されるが、これは厚さ5.2mm/重量298gという従来のHelix用キーボード(ThinkPad Helixプロ キーボード)と比べて半分の厚さと1/3の重量を実現するうえでのポイントになった。

 そしてこのストロークに合わせて、トラックポイントも薄型化しなければならない。そこで取り付け方法を変え、さらにキャップも20種類以上試作して薄型のものを選んだ。同時にキータッチについても、底打ち感が出ないように、パンタグラフの軸が設置する部分に穴を開けた「ソフトランディング」構造として、ストロークの浅さを感じさせない工夫を盛り込んでいる。

非常に薄いキーボード

2種類あったHelix用キーボードとの比較。トラックポイントがないHelixキーボードと比較しても薄型化している。

薄型でも打ちやすさは確保。さらにトラックポイントも内蔵する。

実際に見ると笑ってしまうほど薄いトラックポイントのキャップ。

このキャップの開発には苦労した。

キーボードとトラックポイントに盛り込んでいるレノボならではのノウハウ

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