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虚淵玄の新作は人形劇!?「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」夏オンエア

2016年02月05日 22時30分更新

 ニトロプラスは2月7日、都内で日台合同映像企画の武侠ファンタジー人形劇「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」(サンダーボルトファンタジー)の発表会を開催した。同作品の原案・脚本・総監修を手がけるのは「魔法少女まどか☆マギカ」「楽園追放 -Expelled From Paradise-」などで知られる虚淵玄氏。

「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」

 キャラクターデザインはニトロプラスのデザイン陣が担当し、人形造形アドバイザーとしてグッドスマイルカンパニーが参加。制作は台湾の人形劇「布袋劇(ほていげき:プータイシー)」制作会社の霹靂國際多媒體 股フン有限公司(霹靂社)。合同映像企画となる本作は2016年夏にテレビシリーズをオンエア予定。

 発表会の冒頭には、台北駐日経済文化代表処 副代表の郭仲熙(かく・ちゅうき)氏が登壇。「霹靂社とニトロプラス、グッドスマイルカンパニーの合作プロジェクトで日本と台湾の文化交流がさらに発展すると期待している」と祝辞を述べた。

 続いて登壇したのは「サンダーボルトファンタジー」の制作陣。原作・脚本・総監修の虚淵玄氏、ニトロプラス代表の小坂崇氣(でじたろう)氏、グッドスマイルカンパニー代表の安藝貴範氏、霹靂社会長の黄強華(こう・きょうか)氏、同副社長エグゼクティブプロデューサーの黄亮勛(こう・りょうくん)氏、同社長兼プロデューサーの陳義方(ちん・ぎほう)氏。

 虚淵玄氏は「思い返せば2年前に台湾に招かれた際に拝見した霹靂社の展示を見て衝撃を受けた。これほどすばらしい布袋劇という文化がまったく日本で知られていないことが悔しく、これを日本に知らせたいと考えた。この想いが2年という短い期間で実現したことが本当にうれしい」と語った。

 小坂崇氣氏は「虚淵から布袋劇を知っているかと連絡がきて見たところ、非常に素晴らしい。なんで知られていなかったのか、と衝撃を受けた。布袋劇は台湾の国民的な文化。真っ先にグッドスマイルカンパニーの安藝氏に電話をして霹靂社に連絡を取るべく相談したところ、霹靂社からご連絡をいただいた。実際に作品を見ていただかないと、このすばらしさはわからないと思う」とコメント。

 安藝貴範氏は「実は虚淵さんが直接来訪してきて、2時間ほど語られたうえDVDボックスを手渡された。そういう情熱が2年で結実した。霹靂社のノリのよさ、動きの速さはホントにすごい」と語った。

 黄強華氏は「日本と台湾の文化が火花を散らす本作は双方で人気が高まると思う。期待しています」と語り、黄亮勛氏は「私のような30代の台湾人は布袋劇や日本のアニメなどを見て育った。そんな我々が虚淵氏と組んで仕事できるとは光栄」とコメント。陳義方氏は「日本と台湾という異なる地域のコラボに大きな情熱と想いをもって取り組んでいる」と語った。

 最新作発表の経緯に関して、虚淵氏は「霹靂布袋劇という作品の存在を知って欲しいと考えたのが発端。最初に考えたのは翻訳を付けての提供だが、台湾の特殊な放送体制もあり、作品は10年以上続いている大河系。さらに毎週90分放送という内容をスポイルせずに日本に導入するのは難しい。そこで日本に合わせてファンタジー王道の要素を組み合わせて布袋劇の魅力を伝えるべく企画した」と語る。また、「映画作品のスピンアウトなどのアイデアもあったが、光栄なことに完全新作を任せていただいた」とコメント。

発表会場には実際に撮影に使われた人形も展示

 台湾の伝統文化「布袋劇」に登場する人形のボディーは袋になっており、肩から腕部分と首上しかなく、人形師が腕の動きのみでダイナミックに動きを表現する。人形のキャラクターデザインはニトロプラスのデザインチームが手がけ、デザイン原案をもとに台湾の造形師がリファインして作成。シナリオは日本側で、人形作成や撮影などの制作面は台湾の霹靂社が担当、また音響周りは日本側が担当する。

台湾の人形師による迫力の人形劇も実演

 発表会では「サンダーボルトファンタンジー」のティザー動画もお披露目された。人形劇というとシンプルな動きと造形が連想されるが、実際の映像はリッチなCGエフェクトや次々とダイナミックに切り替わるカット割により、一見人形劇とは思えないつくり。

 一部キャストは公開されており、鳥海浩輔さん、諏訪部順一さん、中原麻衣さん、関智一さんらが作品を盛り上げる。また、主題歌はT.M Revolutionが担当。西川貴教さんは「台湾だけでなく日本でアニメ映像に慣れ親しんだ我々も、こんな映像があったのかと驚く映像が生まれる。期待してください」とビデオコメントを寄せた。

 作品ジャンルに関して、虚淵氏は「ジャンルとしては人形劇だが、特撮にはエフェクトやパペットモーションもあるので、人形劇というよりは特撮寄り」と語る。「自分は昭和生まれのオタクだと自覚していたが、こんな新しい文化に出会えるということに興奮している。ご期待ください。」(虚淵氏)。本作は2016年夏からテレビでオンエアされるが、台湾でもほぼ同時期に放映される。また、中国でも放映予定とのこと。

 「サンダーボルトファンタジー」の実際の撮影に使われた人形やティザー動画は、2月7日(日)開催の「ワンダーフェスティバル 2016[冬]」のニトロプラスブース、グッドスマイルカンパニーブースでも展示され、3月25~27日開催の「AnimeJapan2016」でも展示される予定だ。

●タイトル:「Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀」
●ジャンル:武侠ファンタジー人形劇
●放映日:TVシリーズ 2016年夏予定
●原作:Thunderbolt Fantasy Project
●原案・脚本・総監修:虚淵玄(ニトロプラス)
●操演・撮影:霹靂國際多媒體 股フン有限公司
●キャラクターデザイン:ニトロプラス
●造形アドバイザー:グッドスマイルカンパニー
●制作:Thunderbolt Fantasy Project


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