前回紹介したのは、2013年前半登場のコンパクト機「Xperia E/E Dual」でしたが、ちょうどこのころ、「Xperia Z」との間に位置する「Xperia SP」と「Xperia L」という端末も発売されました。
このころの端末名にはまだ統一性がありませんが、国内に投入された端末はフラッグシップの「Xperia Z」のみのところ、グローバルではハイエンドモデルからミドルレンジ、エントリーモデルと幅広く、かつ新しいモデルが矢継ぎ早にたくさん投入された年でした。
まず「Xperia SP」ですが、ボディーの周囲をぐるっとアルミニウムの金属フレームで囲み、右側面には「Xperia Z」シリーズから続く、アルミ削り出しの電源ボタンにボリュームボタンとカメラボタンを備えるモデルです。
本体下部分は本体との隙間部分にクリア素材を採用する大胆なデザインで、この部分は「transparent element」と呼ばれており、電話着信やメール、メッセージといった通知を受け取った際にイルミネーションが光るというギミックがあります。本体サイズは67.1(W)×9.98(D)×130.6(H)mmで重量は155g。
ディスプレーは4.6型(720×1280ドット)で「Reality Display」や「モバイルブラビアエンジン2」を搭載。「Xperia GX」と同等のディスプレーでサイズもほぼ同じですが、背面が反っている「Xperia GX」に対して、「Xperia SP」は本体中央から側面にかけてゆるやかにカーブしている形状なので、印象は随分違います。
8メガピクセルの裏面照射型CMOSセンサー「Exmor RS for mobile」を搭載。カメラ位置も、背面上部のど真ん中にグリっとレンズリングが見えるメインカメラも「Xperia GX」を彷彿とさせます。
CPUはクアルコムのSnapdragon S4 Pro(MSM8960、デュアルコア1.7GHz)で、メモリーは1GB、内蔵ストレージは8GB。バッテリー容量は2300mAh。ちなみに背面カバーは脱着式ですが、バッテリーの交換はできません。カラバリはブラック、ホワイト、レッドの3色展開です。
もうひとつの端末である「Xperia L」は、4.3型液晶(480×854ドット)でサイズは65(W)×9.7(D)×128.7(H)mm/重量137gと、「Xperia SP」よりひと回り小さい端末です。
デザインは「Xperia E」とほぼ同じ雰囲気で、背面がそったアークデザインに、本体からディスプレー面にかけて斜めに大胆にカットされている形状。側面中央に1本シルバーラインが入っています。ちょうど本体の下部分には光る通知ランプがあるので、ここが「Xperia L」の目を引く要素です。
こちらもXperiaシリーズの意匠になっている電源ボタンにボリュームキー、シャッターボタンがあります。CPUはクアルコムのSnapdragon S4 Plus(MSM8230、デュアルコア1GHz)。メモリーは1GBで内蔵ストレージは4GBと、スペックも少し劣ります。
「Xperia SP」と比べるとイマイチ売りのポイントがなさそうに見えますが、カメラ機能は充実しています。8メガピクセルの「Exmor RS for mobile」を搭載しており、HDR撮影が可能。最適な明るさで静止画と動画どちらも残せます。バッテリー容量は1700mAhと少なめですが、背面パネルを外すとバッテリー交換が可能です。
細かい部分ではLTE通信に対応していなかったり、「モバイルブラビアエンジン2」や「ホワイトバランス」、「POBox」が非搭載だったりと、「Xperia SP」との違いがハッキリしていました。
こちらのカラバリもブラック、ホワイト、レッドの3色展開。この鮮やかなレッドが当時とてもツボだったのを覚えています。また、どちらのモデルにもNFCは標準搭載されており、NFCに対応した製品とワンタッチで接続できるという便利さはこのころから定番化。すっかり今では無いとと困るほどです。
「Xperia E」をはじめ「Xperia SP」も「Xperia L」も、国内未発売モデルですが、グローバルでは各地域によっての戦略も異なっているせいか、ミドルレンジより下のモデルのバリエーションがとても多かったように思います。そしてこれ以降、ネーミングによって得意な分野を持たせてナンバリングするという、住み分け型へと変わっていくことになります。
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