ドコモのIOT(Inter-Operability Testing:相互接続性試験)を実施する予定で、SIMフリースマホとしてはめずらしくキャリアアグリゲーションに対応している。ドコモの主要周波数帯はすべて利用でき、下りの速度も225Mbpsと高速。ソニー時代から“モビリティー”にこだわってきた、VAIOの面目躍如といったところだ
法人ニーズに応えて拡大を目指すWindows
法人が主戦場であれば、Windows 10 Mobileの大きな弱点である、“アプリの少なさ”もある程度カバーできる。業務用アプリは導入企業が個別に開発すればいいし、エンタメ系アプリが少ない点もかえって好都合。Office 365やOneDriveと相性がいい点も、法人導入にはプラスだ。
2015年10月にMSがWindows 10 Mobileのパートナーを発表して以降、搭載スマホが続々と登場している。トリニティ『NuAns NEO』のように個人利用を意識した端末もあるが、ほとんどが法人市場のニーズに応えるために開発されたもの。そのような端末の中でもVAIO Phone Bizは特にスペックが高く、企業ユーザーのニーズをきっちり満たしている。ドコモの法人営業という強力な販路もあり、Windows 10 Mobile搭載スマホで頭ひとつ抜けた存在になりそうだ。
同じVAIOブランドを冠するスマホは、昨年、日本通信から発売された。しかし初代VAIO Phoneは名義貸しとも言える端末であり、日本通信の最新の決算では業績悪化の一因として、やり玉に挙げられていた。
一方でVAIO Phone Bizは、VAIOがゼロから企画した端末で、最終的な検品は長野県安曇野市にある自社工場で行なう。VAIOのPCと同じ、“安曇野フィニッシュ”を施しているわけだ。その意味ではこのVAIO Phone Bizこそが、同社にとっての“真のVAIO Phone”と言える。アルミを削り出してつくったボディーは質感も高く、広く支持を得られるかもしれない。
筆者紹介:石野純也
ケータイ業界を主な取材テーマに、雑誌、ウェブ、新聞、生放送など幅広い媒体で活躍中。著書に『iPhone 6s/6s Plusがぜんぶわかる本』(洋泉社MOOK、共著:石川温、 石野純也&ゴーズ)、『Mobage、GREE、コロプラほかキーマンインタビューから探る ソーシャルゲーム市場の最新トレンド!』(KADOKAWA)、『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『モバゲータウンがすごい理由』(マイコミ新書)など。
■関連サイト
VAIO Phone Biz
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