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安いと言われる「格安SIM」の利点や弱点を徹底解説!

2016年02月01日 11時00分更新

 テレビやCM、ネットや雑誌でよく目にするようになり、一般への認知度も高くなってきた「格安SIM」と「SIMフリースマホ」。セットで使うと「通信料が安くなる!」というイメージこそあるものの、ドコモやau、ソフトバンクなどのキャリア契約やスマホとどう違うのか? これまでと同じように使えるのかなど疑問は尽きない。格安SIMが実際はどのようなものかは、情報が分散していることもありキッチリ理解するのは難しいところだ。

各社からさまざまなプランで販売されている「格安SIM」

 そこで今回は、格安SIMについて基本のキホンから3回にわたって徹底的にチェック!  格安SIMの仕組みや内容を理解して、毎月の通信費をオトクに節約しよう!!

格安SIMでも通信エリアは大手通信会社と同じ
ただし通信の実効速度は遅いケースが多い

 格安SIMは、MVNO(Mobile Virtual Network Operator/仮想移動体通信事業者)が提供している回線サービス。これに対して、ドコモやau、ソフトバンクといった大手通信キャリアはMNO(Mobile Network Operator/移動体通信事業者)という。

 こう説明されると難しく感じるが、ポイントとしてはドコモやau、ソフトバンクなどのMNOは、自前で基地局を日本全国に建てて通信網を構築し、ユーザーに対してサービスを提供していることが挙げられる。

街中に立って、スマホとの通信を行なっている基地局はMNOが設置している

 一方のMVNOは、自前での基地局や通信網は持っていない。基地局や通信網を持っていないのに、どうやってサービスを提供しているかというと、MNOから借りて行なっている。物理的な通信網を持たないでレンタルで通信網を構築しているので、「Virtual/仮想」というわけだ。

 そのため格安SIMといえども、通信エリアに関してはMNOと同等。特定の基地局はドコモから通信網をレンタルしているMVNOの格安SIMなら、ドコモで契約したSIMと同じエリアで利用できるので安心。

 では、ドコモ回線を使っている格安SIMは、ドコモで直接契約するのと通信品質はまったく同じなのかというと、それは違う。MVNOは通信網を帯域として借りており、同時に通信できるデータ量の上限が決まっているためだ。

 たとえば100Mbpsの帯域をレンタルしているMVNOの場合、その格安SIMを利用するユーザーがひとりなら100Mbpsの帯域をフルに使えるが、ユーザーが100人で一斉にアクセスした場合はざっくりとした計算上では1Mbpsとなってしまう。

 MNOの場合は帯域には余裕があるので十分な通信速度が維持できるが、MVNOの格安SIMでは、低価格の料金を実現するためにレンタルした帯域を多くのユーザーに提供することになる。そのため、同じドコモの回線を使ってはいるが、通信速度は格安SIMのほうが遅い、といったケースが多い。

 MVNOとしては、回線の増強という形でレンタルする帯域を増やせば、通信速度を向上させることができるが、その場合はコストがかかるため低価格のプランをユーザーに提供するのが難しくなってしまう。

 また、MVNOの格安SIMは回線のみをレンタルしているため、インターネットに接続するサーバーも自社で用意する必要がある。このサーバーにどれだけコストをかけているかというのも、通信速度の差に関係している。

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