薄い・軽いは、過去の2 in 1機の弱点を克服するかも
CESで「2 in 1PCの完成を感じた」というのが、率直な意見。
CESの会場はたいへん広いが、薄型・軽量の2 in 1PCには存在感があった。中でも感銘を受けたマシンが、Lenovoの「YOGA 900S」。
ディスプレーが360度回転する12.5型の2 in 1 ノートで、厚さ12.8mm/重さ999gを特徴とする。時計のバンドのような「ウォッチバンドヒンジ」を採用した見た目のビジュアルもさることながら、最上位構成はCore m7、8GBメモリー、512GB PCIe SSDを搭載。QHD(2560×1440ドット)のIPSディスプレーを搭載し、バッテリー駆動時間は最大10.5時間と、スペックも見劣りしない。
なぜYOGA 900Sに惹かれたかといえば、やはり、薄く、軽い点。
Windows 8時代から、2 in 1ノートは各社がこぞって発表してきた。しかし個人的には、ノートPCとしてはともかく、積極的に「タブレットとして使う」場面がないのでは、という疑問を抱いていた。大きく厚く重くなりがちな2 in 1機は、タブレットに求める軽快さが犠牲になっていると感じてしまう。
だが、本体が薄く軽いとなれば、話は変わってくる。実際に手に持つと、積極的にタブレットモードで利用できるかも、という期待が湧くというもの。YOGA 900Sは率直に、触っていて「使えるかも」と思ったマシンなのだ。
DELLの、12.5インチクラスで世界最軽量をうたう2 in 1「Latitude 12 7275」も印象的だ。MicrosoftのSurfaceに似たキックスタンドを持つ「Slimキーボード」と、しっかりした打鍵感を持つ「プレミアムキーボード」の2つがあるのだが、後者は可動部を持たない。
ではどうやって閉じるのかといえば、付け根がヒンジで曲がるのではなくて、端子が外れる形で前に倒れて固定される。倒した状態でもキーボードとタブレット本体は磁石で固定されるので、カバンの中でバラバラになったりはしない。
MicrosoftのSurfaceシリーズのようなキックスタンドを持つキーボードは確かに薄く、軽い。しかし、原稿の執筆や取材のメモ取りなど、文章をすばやく入力するにはいささか心もとない印象もある。
その不満を解決するアイディアがLatitude 12にはあった。しかもタブレット部分の厚さは8mmで、単体重量は約730gと、薄型・軽量というトレンドをおさえている。手に持ってみると、サッとキーボードから外して、相手に画面を見せたり、家で寝転がって動画を見るにはいい重量感だ。4K液晶が選べるのも、2 in 1機としての進化が見える。
2 in 1機に感じていた「帯に短したすきに長し」なもどかしさを解決する、“使える”マシンが出てきたとCESで感じた。春商戦はかなり盛り上がるのではないだろうか。
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