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学研がベンチャーとともに新たに収益を上げる出版の新規事業創出を狙う

2016年01月25日 06時30分更新

安定した大企業ならではのジレンマ

 学研にとって、収益構造を改善する戦略には大きく2つある。まずひとつは、売れる本を地道につくり続けながら少しでも返本率を下げるよう努力するなど、いわば通常の出版社の経営改善策だ。出版不況が叫ばれながらも、長年にわたって幅広い市場を相手にビジネスを展開してきた学研では、編集、営業、販売などの各チームの役割やノウハウが確立されており、出版事業においてそれなりの売上を立てるルーチンが確立されている。

 こうした強い安定感が、逆に、もうひとつの戦略となる“既存事業の枠を超えた革新的な新事業”を生み出す阻害要因ともなっているのである。

2015年末に行なわれた、学研アクセラレーター2016の参加を競う審査を行なったビジネスコンテスト

「目の前に見えている売上にとらわれないようにするには、学研外部からの視点やアイデア、文化などが必要になると考えた。学研アクセラレーター2016に期待するところは大きい」と、谷口氏は語る。

 次回は、今後スタートアップ支援を通じて学研がどこに向かって行こうとしているのか、“学研アクセラレーター”の取り組みを含めて総括する。

――最終回は2016年2月1日に掲載予定です。

学研プラス 出版プラス事業部 パートナー事業推進室の谷口正一郎室長

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学研アクセラレーター

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