「スタバの最大サイズってなんでしたっけ」
隣の席にいる小嶋くんがそうつぶやいた。なんだっけな。調べてみると、スターバックスのサイズにはS・M・Lにあたる「ショート」「トール」「グランデ」に加えて「ベンティ」という特大サイズがあることがわかった。
打ち合わせでスタバを使うときは、いつもラテのショートサイズを頼むわたし。トールサイズでも多いくらいだ。そういえば昔『スタバではグランデを買え』という本があった。著者はカフェイン中毒なのかと心配になったものだ。
そんなわたしにとって「ベンティ」は未知の領域だ。ベンティとはイタリア語で「20」。20オンス、約590mlのことだ。500ml缶より大きなサイズのコーヒーとは何なのか。アメリカのソーダファウンテンを思い出す。
写真:joel
これもなにかの縁にちがいない。ベンティに挑戦しようと、近所のスタバに行ってきた。
頼んだのはスターバックスの人気メニュー「フラペチーノ」だ。種類がわからないので「コーヒーフラペチーノ」にした。価格は540円。わりと高い。頼んだあとで「アッ寒い」と思ったのが、あとのまつりだ。仕方ない。
店の奥から、ミキサーで氷をくだく派手な音が聞こえてくる。そしてカップを落として氷をならすときの「ドスッ」という音がした。カウンターごしに店員さんから手渡されたフラペチーノは、尋常ではないほど重かった。
でかい。ベンティでかい。
なんだかおもしろくなってしまい、スタバの前で自撮りをしてしまった。初めてスタバに来た地方の中学生のような写真が撮れた。
編集部に持って帰ると「でかいっすね」「でかい」「マジでかい」とみんなが口をそろえる。巨大なものにはみな驚くのだ。アメリカ人はある意味正しい。重量を測ると約500グラムある。「重い! 重い!」と1人で笑った。
しばらく「あーでかい」と笑っていたが、これは飲みものだ。飲まなくては真価はわからない。一口吸う。おいしい。でも甘い。甘っ。脳天がしびれる甘さだ。なんとなく「致死量」という言葉が浮かんだ。それくらい甘い。
量も多いのでなかなか減らない。半分ほど飲んだところで飽きるが、ベンティは机の上で圧倒的な存在感を放っている。溶けたらますます甘さが強くなる。氷が春の雪どけのようになったベンティを一気に飲みほした。
結論。ベンティは多いが飲める。でも飽きる。あと甘い。
なおカロリーはミルクタイプで340kcal、ドーナツ1個分ほど。まあ氷なのでそんなものだろうと思ったが、チョコレートクリームチップフラペチーノのベンティサイズは623kcalと書いてあって怖かった。
しかしなにより楽しかった。540円でこれだけ楽しめるなら儲けものだ。大人は毎日なにかに挑戦してみるべきだ。次はハンバーガーなどを攻略してみたい。どこがいいだろうか。
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