ノートPCに本気なマイクロソフト
CES以外のところに目を向けてみれば、マイクロソフトの「Surface Pro 4」に続き、13.5型のデタッチャブルノート「Surface Book」も国内発売をむかえる。
これまでのSurfaceとの最も大きな違いは、(下位モデルを除き)GeForceベースのGPUをディスクリートで搭載している点と、パッケージにあらかじめキーボードドックが組み込まれている点。「タブレットPCとしても使える、着脱式のノートPC」といえるマシンだ。
Windows 8の時代から2 in 1PCとしてSurfaceシリーズが発表され続けてきたわけだが、ここにきて登場したSurface Bookは、本気でノートPCに力を入れていくという表明のようにも見える。マイクロソフトが引き続きハードウェアに本腰を入れるとなれば、PCのトレンドも大きく動いていくはずである。
アップルもシェア競争に黙っていない?
PCの市場シェアに少なくない領域を占めるアップルに目を向けてみよう。数年の間、タブレットではiPad(mini、Airも含む)、ノートPCはMacBook Air/MacBook Proというラインナップを続けてきた同社が、2015年に発表したのはiPad Proと新MacBookだった。
iPad ProはタブレットとしてのiPadの作業領域を物理的に広げ、Apple PencilとSmart Keyboardによって2 in 1機のように使える……というコンセプトの製品。
新MacBookは、インターフェースをUSB Type-Cのみに割り切り、CPUにCore mプロセッサーを採用して、薄く軽く(MacBook Airと比べて、ロジックボードはおよそ67%小さくなっている)、その上でバッテリー駆動時間にも気を配った、アップル史上最薄最軽量のマシンだ。
iPad Proと新MacBookの特徴を見るに、アップルは、「タブレットとノートパソコンの中間」ともいうべき領域に着目しているように筆者には見える。タブレットにパワフルな作業環境をプラスしたような、あるいはノートPCに軽快さをプラスしたような製品が求められている。そう考えて、昨年のアップルはその領域を開拓しようとしていたのではないか?
しかし前述したように、そこはWindowsの2 in 1機がひしめく、“ホット”な舞台でもあるはずだ。
Windowsの競争が激化している市場に、アップルがどのようなアプローチを見せていくのか。現時点では噂レベルだが、今年のWWDC(アップルが毎年開催している開発者向けイベント。通例では夏に開催される)では、新MacBook Air(もしくはMacBook)が発表されるという話もある。
成熟した2 in 1を発表する各メーカー、ハードウェアに本気を出し続けるマイクロソフト、新しい領域を模索するアップル……。2016年は、PC界の勢力図が大きく変わりそうな年といえるだろう。
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