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家でスマホのバッテリー時間が伸びる!? KDDIが支援するワイヤレス給電技術「Cota」

2016年01月08日 21時15分更新

「Cota」の給電モジュール(中央)と、給電を受けているデバイス

「Cota」の給電モジュール(中央)と、給電を受けているデバイス

 KDDIが支援するOssiaの「Cota」をご存じだろうか? 新しいワイヤレス給電技術で、現在アメリカでFCC(連邦通信委員会)の認証を取得する準備をしている。このOssiaがCES 2016で技術展示をしているのでご紹介したい。

 Cotaは3つの点でこれまでのワイヤレス給電技術と異なっている。1つは、10m離れた場所でも最大1Wまでの給電が可能なこと。次に、1つのデバイスではなく複数のデバイス(単3型充電池なら20本程度)への給電に重きを置いていること。3つ目は、障害物があったり、受信側(充電する機器)が移動しても、給電が可能なことだ。

 例えば、家に給電用のモジュールがあれば、Cota対応スマホなら(満充電とまではいかないまでも)バッテリー駆動時間を延長できたり、スマートウォッチのような低消費電力のデバイスなら充電なしで使い続けられる。ゲームのワイヤレスコントローラーや目覚まし時計といったものにも応用可能だろう。

Cota対応のスマホケースから充電するスマートフォン

Cota対応のスマホケースから充電するスマートフォン

 ブースでは、実際にCotaの給電デモを実施。筒形の給電モジュールから、Cota対応スマホケースと、同じくCota対応の単3電池充電機の2つに給電している。

コントロールアプリ。各デバイスの充電オン/オフを操作できる

コントロールアプリ。各デバイスの充電オン/オフを操作できる

IDにより、給電をするデバイスを認証することもできる

IDにより、給電をするデバイスを認証することもできる

 ここに別のスマホが登場。このスマホには専用のコントロールアプリが入っており、操作することで特定の機器(スマホケース、または充電器)への給電をストップできる。

 さらに、セキュリティー機能も備えており、あらかじめ紐づけられているID以外の給電はしない、といった設定も可能だ。

Cota用のICチップ

Cota用のICチップ

 給電を受けるデバイスには小型のICチップを搭載する必要があるが、基本的には現行のスマホの構造を大きく変えることなく搭載可能。技術的にはすぐにでも実用可能なレベルにある。

 Cotaの製品が登場するのは、アメリカでは2016年末以降、日本では未定となっている。日本では電波法の調整が必要で、すぐには実用化できない。

 ただし、KDDIが働きかけを行なっており、同社から製品を出すことも検討しているという。ちょっと先の長い話だが、期待したい技術だ。

乾電池型のCotaデバイスも開発中だ

乾電池型のCotaデバイスも開発中だ

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