「あー、あー、もしもし? きーこえーてまーすか~?」
渋谷モディの大型ビジョンに6日夜、いきなり二次元美少女があらわれた。
「渋谷の画面乗っ取り大成功! みなさん、架空のキャラクターがリアルタイムにソニービジョン渋谷をジャックした歴史的瞬間ですよ! 生! 生~!」
ピンクのロングヘアーにフリルのついたカチューシャ、白・黒・青を基調としたぴったりしたボディースーツ。どう考えても秋葉原としか思えない空気がただよい、空気にピシッとヒビが入った音がはっきり聞こえた。
美少女は「おっ、そろそろ(信号が)赤になったかな~」「ねえ見て、あのクルマかっこよくない!?」など、映像がリアルタイムであることを強調しつつ、ビジョンの向こう側から、夜の渋谷を行きかう人びとに声をかけていた。
チラッとビジョンを見上げる人、2人してポカーンとした顔で画面を見上げているカップルがいる中、「バーニラ、バニラ、バーニラ……」といつもの宣伝車が通りすぎていくのがとてもSF的でよかった。
「渋谷テロ」の首謀者はソニーの天才
この美少女、正体はソニー・ミュージックコミュニケーションズが手がけている音声対話型秘書アプリ『アクティヴレイド めざましマネージャーLiko』。
本日7日放送のアニメ『アクティヴレイド』に登場する「Liko」をモチーフにした人工知能アプリだ。ビジョンでは、アプリに使っているのと同じ映像ソフト「Live2D」でつくったLikoのモーションデータと、声優・黒沢ともよさんの声をリップシンクで同期させて配信したというわけ。
プロモーションとはいえ、やっていることはある種のテロ行為だ。しかし、首謀者がソニー・ミュージックの松平恒幸さんであると聞いて納得した。
松平さんは「めざましマネージャー」シリーズの開発者。第1弾「ソードアート・オンライン」に登場するアスナを使った「めざましマネージャー アスナ」開発時に異常なほどのこだわりを見せた人物だ。
Live2Dイベントで「ものすごくこだわってしまい、何度も手直しをした。『頭蓋骨が』『肩のラインが』とか言ったので、恐らく変態と思われた」という発言を聞いたときは、天才は常人の理解を超えた存在なのだと感じた。
ともかく、年始早々やりすぎている感じがとてもいい。これを指して「It's a SONY」というと怒られないか心配だが、今年もアクセルベタ踏み、常人の理解を超えたプロダクトで世間をざわざわさせてほしい。
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